“高浜原発のドン”元助役の原発マネーリスト 稲田、高木、世耕各氏へ関係会社から献金

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“森山銘柄”から献金

 福井県政担当記者が言う。

「稲田さんが代表の自民党福井県第一選挙区支部に、オーイングとアイビックス、アイビックス会長個人が計146万円を献金。そして高木さんの第二支部はオーイングに警備費用約19万4千円を支払っていた。こう報じられたので、詳しく調べてみると、稲田さんへの同種の献金はもう少しあって、総額は計218万円。高木さんは、アイビックスにも警備料10万3680円を支払っていた。2社で計約30万円でした」

 総計の違いはともかく、と、県政担当記者が続ける。

「稲田さんは献金の事実を認めつつ、“違法な献金ではなく、森山さんとも面識はなかった”と言っています。ならば、違法な献金でないことをしっかり説明すべきなのに返金を仄めかしたりして、地元政界は“あまりにトンチンカンだ”と苛立っています。高木さんは沈黙を貫いていますね」

 関電の一件と関連づけて報じられてはいないが、実は安倍総理の最側近、世耕弘成前経産相も“森山銘柄”から献金を受けていた。15年4月27日付の「赤旗」曰く、〈原発設備会社5幹部、世耕官房副長官側に750万円/企業献金を個人で“分散”か〉。

 世耕前経産相は、原発再稼働を推進する牽引役。彼の資金管理団体に、個人献金を装って“抜け道”的な企業献金をしているのではないか、というのである。

 名指しされたのは、プラント設備の「柳田産業」(兵庫県高砂市)。同社社長を含む幹部5名が13年、個人献金の上限150万円ずつ計750万円を献金している(15年までに総額1200万円)。しかしその献金した日付が妙な一致をしており、赤旗は、そんな偶然はありえないというのだ。たしかに、申し合わせたと受け止めるほうが、そしてそれが企業の意向と見るほうが自然ではある。この点を世耕前経産相に直接、質してみると、

「森山氏については、報道で初めて名前を知りました。献金はあくまでポケットマネーで、個人献金としてやっていただいたと認識しています。社長とは私の勉強会に参加してもらったりする関係で、ほかの方々もそれぞれ面識はある。私の政治姿勢に共鳴して献金していただいているということです。社長をはじめ、役員の方からなにか頼まれたりしたこともありません」

 こう断言する。稲田元防衛相のように、返金を検討、などとブレる様子もない。しかしこの柳田産業は、森山氏が非常勤顧問を務め、原発関連で業績が急伸した企業。となれば、森山氏の手帖のリストに、原発マネーの行先として世耕前経産相の名もあったのではないかと勘繰りたくもなるが、真相は藪の中である。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年10月17日号掲載

特集「『国会議員』に献金! 『警察』にも餞別! 『高浜のドン』黒革の手帖に『原発マネー』リスト」より

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