北朝鮮ミサイル落下で日米韓「見事な」三者不和
「今年に入ってもう何発撃ち込まれているんだ! もっと敏感に反応しなさい!」
今月2日の午後、自民党本部の9階廊下に響き渡ったのは二階俊博幹事長の怒鳴り声だった。
居合わせた記者によれば、
「この日の早朝、北朝鮮が日本海に向けて発射した飛翔体を巡り、午後4時半から『北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部』の会議が緊急招集されたんです。二階さんは、自国の排他水域にミサイルを撃ち込まれたにもかかわらず危機感が足りない議員たちに、黙っていられなかったのでしょう。でも、今回ばかりは二階さんが正しいですよ」
というのも、北朝鮮が発射に成功したのは、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「北極星3」だからで、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏によると、
「潜水艦に搭載して海中から発射できるのがその特徴で“究極の核戦力”と呼ばれるもの。北朝鮮の核兵器を巡る問題は新たな局面に入ったといえます」
何が“究極”なのか。
「SLBMは敵の攻撃に対し、味方の戦略核兵器がどれだけ生き残れるかを示す“残存性”が極めて高い。つまり、第一撃で地上の軍事施設が壊滅しても、潜水艦から反撃する余地を残せる。そうなれば、北朝鮮への攻撃などおいそれと出来なくなってしまいます」(同)
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