グレタさん、理想だけ語られても(KAZUYA)
何事もバランスが大事です。
理想だけ語っても、現実とは乖離しているわけですからすり合わせが必要になりますし、現状を保守的に見ているだけでは世の中は発展していきません。
政治や経済、環境への取り組みも理想と現実の狭間でバランス良く前に進める必要があるでしょう。しかしいつの時代も極端な意見の方が人々の歓心を得るものです。
今スウェーデン人のグレタ・トゥーンベリさん(16)が注目を集めています。彼女は環境問題を考えるあまり11歳で、体重が2カ月で10キロ減る鬱状態になったといいます。近年は学校を休んでスウェーデン国会議事堂前でプラカードを掲げて座り込んだりしており、それが注目を集めて世界中に支持者がいるのです。
グレタさんは国連の温暖化対策サミットで演説するためにニューヨーク入りしましたが、移動手段はなんとヨットで15日かけています。ヨットだとしても製造過程で様々な材料、機械を使っているでしょう。その間にCO2は排出されています。それはいいのかと考えてしまいます。
父親は俳優で映像プロデューサー、母親はオペラ歌手でヨット移動と聞けば、一定以上の裕福さだろうとわかります。
演説の中でグレタさんは鬼気迫る表情で「あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね」「もしあなた方が私たちを裏切ることを選ぶなら、私は言います。あなたたちを絶対に許さないと」。要は急激に莫大な量のCO2を減らせと主張しているのです。
環境問題も大事ですが、経済成長も重要です。特にまだまだ食うに困るような国であれば、多くのエネルギーを消費して国を豊かにしていく必要があるでしょう。もちろん環境問題との兼ね合いも考えなければいけませんが、途上国は必死なのです。環境問題を考えられるのはある程度発展してからのことです。
日本の過激な反原発派もグレタさんの発信を高く評価している様子が、Twitterで見られました。しかし理想と現実という観点でいうと、彼らはもっとめちゃくちゃです。
「原発やめろ!」「石炭火力は減らせ!」「CO2出すな!」
こんな理想だけ語られても、じゃあ一体どうしろっちゅーねんという話です。CO2を減らすなら火力より原発の比率を上げたほうが良いでしょう。
個人レベルでは日中太陽光で発電して、大きめのポータブル電源に充電し、それを夜使うなどは考えられるでしょう。しかしエアコンなどを動かすのは厳しいですし、実用的ではありません。さらに天候に恵まれなければ充電も出来ません。もし活動家の望み通りになった場合、産業は壊滅的な被害を受けるでしょう。電気がなくて廃業となれば雇用が失われるのも当然の話です。それが望みなのでしょうか?
結局は理想を持ちつつ、現実とすり合わせ、現状ある原発や火力発電をバランス良く使い、走りながら考えるしかないでしょう。新たな発電方法が生まれたら移行すればいい話ですしね。