夫が逮捕された道端アンジェリカ あおり運転男女にも似た哀しき自己顕示欲

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ぶっちゃけハーフタレント枠の飽和と、できのいい身内に翻弄される哀しき心理

 アンジェリカは3姉妹の中で、「ぶっちゃけキャラ」のポジションだったように思う。おっとりしたシングルマザーの長女・カレン、世界的F1選手と浮名を流したセレブな次女・ジェシカ。そしてヤンチャでイマドキなアンジェリカというすみわけだ。インスタではタトゥー写真や、金髪刈り上げの人物とのキス写真を投稿。当時の彼かと騒がれたが、相手は女性だと明かし、世間を手玉にとって面白がるような行動は批判を浴びた。バラエティでは「ヤバい」「めんどくせえ」「マジウケる」を連発、武田修宏に口説かれたことを暴露したり、「年収5千万のオトコと結婚したい」などと発言。のちに「5千万円」発言は仕事を増やすためのポジショントークであったと説明しているが、一度ついた炎上キャライメージはなかなか消えなかった。

 しかし彼女がその道から引き返せなかったのは、芸能界でのハーフタレントの評価が硬直化していることと、「できのいい」姉たちへのコンプレックスだったのではないか。

 ハーフタレントの成功則は、きれいな見た目としゃべりのギャップでしかない。要は、ぶっちゃけるか天然かの2択である。前者は土屋アンナ、ダレノガレ明美、SHELLY、ホラン千秋、高橋ユウなど。後者はローラや滝沢カレンである。アンジェリカは「ぶっちゃけ」枠を選んだが、見ればわかるようにもはや飽和状態だ。どれだけ爪痕を残そうとしても、先達たちの牙城は崩せない。やればやるほどB級感が出てしまう。

 けれども彼女がその枠を選ばざるをえなかったのは、姉2人の立ち位置もあるのではないか。2人の姉はバラエティには出ないタイプというか、プライベートはむやみに明かさない、きれいどころとしてイメージを保っていた。芸能界という特殊な場所で、身近に成功した姉妹がいるのは、コンプレックスもひとしおだろう。有村架純を妹にもつ藍里の美容整形や、土屋太鳳の姉である炎伽のミスコン出場などの例もある。姉たちと同じように目立つには、違う話題作りや路線を歩むしかないと、アンジェリカも考えたのではないかと思うのである。

 だからといって、これまでの行動や今回の一件に関して、かばうつもりはない。火の無いところに煙は立たぬというが、まさにゆがんだ自己顕示欲という火種は、彼女の中にくすぶり続けていたのだろう。これからは息子のことを一番に考え、と謝罪文は結ばれている。ではこれまで彼女が一番に考えてきたのは何だったのだろう。姉たちや他のハーフタレントだろうか。確かなことは、これまでも息子のことを第一に考えていたら、事態は違ったものになっただろうということだ。

(冨士海ネコ)

2019年10月10日掲載

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