「相棒」season18がいよいよスタート 敢えて3つの“不安材料”を検証する

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 10月9日からテレビ朝日の『相棒』(水曜・午後9時)のseason18がスタートし、いつものように半年間にわたって放送される。2000年に同局『土曜ワイド劇場』の1作品として産声を上げて以来、20年目に突入する。主人公の杉下右京・特命係警部を演じるのは、言わずと知れた水谷豊(67)。相棒役の刑事は、season14から登場した反町隆史(45)が続投し、冠城亘に扮する。またも高視聴率を得るのか。失速する可能性はないのか――。

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 1990年から2010年まで、約1~2年おきに連ドラ版『渡る世間は鬼ばかり』(TBS・木曜・午後9時)が放送されていた当時、他局はその放送時期が近づくと渋い顔をした。高視聴率が確実視されていたからである。

 今は『相棒』の新seasonが放送を迎えるたび、裏番組の担当者たちは暗い顔つきになる。『渡鬼』が嫌がられたのと同じ理由だ。

 なにしろ、実績がある。過去の連ドラの平均視聴率は15・6%(ビデオリサーチ調べを基に算出、関東地区:以下同)。圧巻と言っていい。テレビ離れが進んでいることもあり、今や連ドラで15%以上の視聴率をコンスタントに取れるのは、NHKの「連続テレビ小説」くらいなのだから。

 season18も当たる公算は大きい。が、あえて意地悪く、不安材料を挙げて、その検証をしてみたい。

(1)世間なら定年を過ぎた水谷豊
 故・萩原健一(1950~2019)扮する木暮修に向かって「あ~にきぃ~」と叫ぶコミカルな乾亨を水谷が演じた『傷だらけの天使』(日本テレビ)のは、1974年10月に放送スタート。水谷がこのドラマで存在を世に知らしめてから、はや45年が過ぎた。その後は確かな演技力と存在感を武器に、テレビドラマだけでも挙げ切れないほどの作品に主演してきた。

『熱中時代』シリーズ(日本テレビ、1978~81年)、『あんちゃん』(同、1982年)、『火曜サスペンス劇場/浅見光彦ミステリー』シリーズ(同、1987~90年)、『刑事貴族』シリーズ(同、1991~92年)、『探偵 左文字進』シリーズ(TBS、1999~2013年)、『居酒屋もへじ』シリーズ(同、2011年~)――。

 水谷抜きにして1970年代から現在のドラマ界は語れない。とはいえ、もう67歳だ。サラリーマンなら、とっくに通常の定年(60歳)であり、一般的な再雇用の上限年齢(65歳)も過ぎている。年齢上の不安はないのだろうか?

「まったく問題ない」と太鼓判を押すのは、過去に『相棒』のスタッフの一人であったドラマ制作者。「水谷さんほど摂生している俳優は滅多にいないくらいで、トレーニングも積んでいるそうですから、おそらく肉体年齢はまだ50代でしょう」

 やはりテレ朝の看板刑事ドラマだった『はぐれ刑事純情派』の主人公・安浦吉之助を、故・藤田まこと(1933~2010)は1988年から2005年まで演じ、最終回では72歳になっていた。それと比べ、水谷はまだ若い。『西村京太郎サスペンス/十津川警部』シリーズ(TBS、1992~2015年)の故・渡瀬恒彦(1944~2017)は、69歳まで十津川警部を演じていた。

 それどころか、テレ朝の圧倒的権力者である早河洋会長(75)は、2018年1月に放送回数が300話を超えた際の記念セレモニーで「600回までやっていただきたい」と語ったという。それが実現すると、水谷は81歳になっている。テレ朝もやはり水谷の健康には何ら不安を抱いていなし、ずっとバックアップする考えなのだ。

 やはりテレ朝の『科捜研の女』シリーズ(1999年~)で、準主役の土門薫刑事を演じている内藤剛志も若々しいが、既に64歳。俳優の場合、実年齢は二の次で、あくまで本人次第。また、一定の重厚感と貫禄が求められる刑事役は、年配のほうが向くらしい。同じくテレ朝で現在も時折、単発ドラマとして放送される『おかしな刑事』シリーズ(2003年~)で、鴨志田警部補役の伊東四朗は82歳である。

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