キャバクラ嬢に学ぶ仕事術 入店から半年、週1出勤でナンバーワンになれた理由
営業ではなく一人の男性として接する
とはいえ、ただ口を開けて待っているだけでは、出勤日に指名客が来てくれるはずもない。自分が立てた営業スケジュールを実行するために、日頃から努力を積み重ねているようだ。
「指名客たちが、私の出勤日である土曜日に必ず来てくれるよう、日頃から連絡をとるようにしています」
実際、取材中も、ユミさんのスマホにはひっきりなしに客からの連絡が舞い込んできた。「この間話した美顔器、今度プレゼントするね」「次の同伴はユミちゃんの大好きなお肉でいいかな?」といったメッセージのひとつひとつに、律儀に返信をするユミさん。連絡の仕方にもポイントがあるという。
「まず、週に1度の出勤なので、必ず誰か1人のお客さんとは同伴出勤をするようにしています。同伴の提案にすんなりOKを貰うためにも、日頃からのメッセージのやり取りは怠りません。大切なのは、お客さんへの連絡をこまめにすること。そのうえで、“営業”だと感じさせないようにすることです。デートの約束をするように同伴の約束をとりつけます」
実際にユミさんのLINEを見せてもらうと、大学時代の友人への返信も、客への返信も、なんら差はないフレンドリーなメッセージが並ぶ。
「友達のような、恋人のような会話を心がけています。キャバ嬢に限らず、水商売の女の子のLINEって、一瞬で“営業だな”って分かるようなメッセージが多いじゃないですか。それだと印象に残らず、お店に会いに来てもらえないので、私はフランクなやり取りを売りにしています」
驚くことに、ユミさんのLINEの登録名は、本名、しかもフルネームだ。当然、客側にも、源氏名ではなく本名が表示されているわけだが、本名を曝け出すことで顧客は「この子は自分のことを客ではなく、一人の男性として意識してくれているんだ」と思い込んでくれる効果もあるという。
「こうしたLINEも、全員に平等には返しません。当然金払いが良い“太客”は即レスでこちらからもよく連絡するようにします。また、あまり食いつきが良くない人には、そんなに労力をかけないようにもしています」
一流は力の入れどころを、きちんと理解しているというわけだ。
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