大嘗祭で使用の京都産「キヌヒカリ」と栃木産「とちぎの星」気になるお味

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 天皇の即位後に行われる大嘗祭(だいじょうさい)は、一代に一度の大祭だ。令和の御代は11月に行われる見通しで、神々へ捧げられる新米は京都府産と栃木県産が選ばれた。さて、そのお味は?

 大嘗祭で使用されるコメは「斎田(さいでん)」と呼ばれる田で収穫される。その斎田は、「悠紀(ゆき)の地方」と「主基(すき)の地方」2カ所に決められるというが、どのように選ばれるのか。全国紙の宮内庁担当記者によれば、

「亀の甲羅を熱してヒビの入り具合を見る亀ト(きぼく)という占いで決めますが、詳細は天皇家の秘中の秘になっています」

 斎田に決まった京都府と栃木県は大変な名誉だろうが、儀式後には天皇もそのコメを口にされるというから責任重大だ。

「9月3日、宮内庁長官からうちの会長に電話があり南丹(なんたん)市を推薦しました」

 こう説明するのは、JA京都中央会の担当者だ。献上米の銘柄は、「京都丹波産キヌヒカリ」だという。

「キヌヒカリは、北陸農業試験場がコシヒカリを中心に様々な品種を掛け合わせて開発し、1988年に登録された品種。炊き上がりの輝きが絹のように美しく、粘り気が少ないソフトな口当たりなので、この名が付けられました。キヌヒカリは近畿地方一円で栽培されていますが、丹波キヌヒカリは南丹市を中心に栽培するブランド米です」(同)

 キヌヒカリは日本穀物検定協会主催の「米の食味ランキング」で、最高の特Aを3年連続で獲得している。丹波キヌヒカリに限っていえば流通量は少なく、亀岡市内の直売所などで5キロ2300円(税別)で購入できる。

 一方、栃木県の献上米「とちぎの星」(写真)も、ランキングで特Aを2年連続で獲得している。JA全農とちぎの米穀課に聞くと、

「とちぎの星は、2002年に栃木県農業試験場がなすひかりと栃木11号を交配させた品種です。大粒で程よく粘りがあり、冷めても美味しく、おにぎりなどにも適している。県下全域で購入できますし、アマゾンでも手に入れられるうえ、県外では西友にも置いています」

 都内の西友では5キロ1690円(税別)で売られ、ササニシキやコシヒカリよりも200~300円安い。

 さて、どちらのコメが陛下のお口に合いますか。

週刊新潮 2019年10月3日号掲載

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