「スカーレット」は「なつぞら」に比べてかなり地味 プロはスタートをどう見たか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

芸人のキャスティングが目立つ

 もっとも、イケメンはあまり期待できそうにない。NHK出版のドラマ・ガイド「スカーレットPart1」には、水橋の言葉としてこうある。

〈声をかけてくださった制作統括の内田ゆきさんや演出の中島由貴さんとは、おもしろいと思う映画やドラマに対する価値観、そんなにイケメン好きじゃないところも似ていて、(中略)今回貴美子が恋をする相手は、いわゆる登場した瞬間に女子がハッと一目惚れするようなタイプではなく、かめばかむほど味が出るキャラクターにしようと。毎朝見る朝ドラだからこそできる手法で、「ほんとはすごくいい男なんですよ」と視聴者の方をじわじわ洗脳し、「あれ……? この人かっこいい!」と気づいてもらおうと〉

 発表済みのキャスティングを見ても、関西だけに吉本の芸人が目立つ。すでに出演している村上はじめ、オール阪神(62)、吉本新喜劇からは辻本茂雄(54)、未知やすえ(56)、さらに松竹芸能からもTKOの木本武宏(48)……といった面々である。

「気になるのは、滋賀県を代表するミュージシャンの西川貴教(49)や、『奪い愛、冬』(17年、テレビ朝日)などの怪演が話題となった水野美紀(45)、一人芝居のイッセー尾形(67)、朝ドラ『京、ふたり』(90年)以来、約20年ぶりの出演となる羽野晶紀(51)らが、どんな演技を見せてくれるかですね」

 とはいえ、彼らが登場するのも、まだ先のようだ。

「となれば、やはり子役です。『なつぞら』では、なつ(広瀬すず[21])の幼少期を演じた粟野咲莉(9)が好評でした。現在、貴美子の幼少期を演じているのは、川島夕空(ゆあ[11])で、映画『進撃の巨人』やドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日)、『グッド・ドクター』(フジテレビ)、朝ドラでは『花子とアン』、教育エンターテインメント『みいつけた!』(Eテレ)の3代目スイちゃん役を演じていた“ベテラン”です。ドラマのキャラクター上、ちょっとこまっしゃくれたところがあって、それほど可愛く見えないのが、視聴者に受け入れられるかどうか。むしろ、彼女の親友となる照子には、『義母と娘のブルース』の横溝菜帆(11)、貴美子の妹役には、やくわなつみ(7)、彼女たちが気になります。特にやくわは、芦田愛菜(15)はじめ寺田心(11)、粟野咲莉など天才子役を続々と生みだしている事務所の所属です。ドラマはほぼ未経験のようですが、乳歯が抜けて前歯のない状態で熱演しています。また男の子ですが、林遣都(28)の幼少期を演じている中村謙信(11)は、現在出演しているキャスティングの中で最もイケメンと言えるかもしれません」

「スカーレット」第4話は20.7%で大台キープ。「なつぞら」のような尻すぼみではなく、ジワジワ盛り上がることを期待したい。

週刊新潮WEB取材班

2019年10月7日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。