「江頭2:50」が地上波テレビから消えた! アンガールズ田中では代わりはつとまらない
その芸風
エガちゃんの伝説を挙げればキリがないが、いくつか紹介すると――、
●トルコ全裸事件
1997年2月15日、テレビ東京の「ザ・道場破り!」の企画として、トルコで行われたオイル・レスリングの試合の前座に、エガちゃんが登場。白いふんどし一丁でリングに上がり、“座禅縄跳び”などを披露すると、およそ3000人の観客は大喜び。これで調子に乗ったエガちゃんは、やおらふんどしを脱ぎ捨てるや、「3号機発射!」と叫びながら、性器を露出。肛門にでんでん太鼓を刺して逆立ちをすると、会場から大きなブーイングが。トルコはイスラム圏であり、人前で全裸になることは禁じられている。会場は大混乱となり、試合は中止に。エガちゃんはトルコ警察に逮捕された。結局、簡易裁判で罰金約75円を支払い、帰国の途に就いたのだが、この映像が同月19日には米国の通信社により世界に配信された。日本でも大問題となり、制作会社はむろん、テレ東の社長も謝罪。産経新聞の読者投稿欄では、彼の芸風を理解してほしいと擁護する声や、日本の恥とする声など、賛否両論が巻き起こった。
エガちゃんはこの問題で活動を自粛することになったが、5カ月後には日比谷公会堂で行われたお笑いライブで復帰する。活動再開前の会見で、こうまくし立てた。
「トルコの事件で仕事を失い、一度はどん底まで落ちたオレが、やっとこんな大きなホールでライブができるようになった。これぞ、まさしくメークミラクルですよ。長嶋監督よ、オレに学べ! オレを代走に使え!」
転んでもただでは起きない。さらに10月には、世界配信のおかげか、アメリカ映画「プレッシャー/壊れた男」のイメージキャラクターとして宣伝担当に選ばれる。この時には、こう宣った。
「勝新さんが死んだ今、“壊れた男”といえば、オレしかいない。映画の名を借りて自分の宣伝をしたい!」
その後、01年7月の「笑っていいとも!」(フジテレビ)にエガちゃんは乱入。出演者の橋田壽賀子が、たまたまトルコに行った時の話を始めると、トルコの話題を遮るかのように、橋田先生の口を唇でふさいだのである。以来、エガちゃんは13年間、「いいとも」を出入り禁止となった。
ちなみに、この「ザ・道場破り!」のプロデューサーが、菅田将暉・主演の映画「あゝ、荒野」(2017年公開)の岸善幸監督である。昨年のブルーリボン賞で作品賞を受賞した監督は、こう挨拶している。
「実は20年前、スポーツ紙の皆さんにはメッタメタに叩かれたんです。(中略)その皆さんに誉められて、それが何よりの喜びです」
●バイアグラ事件
トルコ事件の翌98年8月12日未明、東京・中野のキャバクラで、おねえちゃんのウケを狙ったか、バイアグラ5錠をブランデーでイッキ飲み。当然気分が悪くなり、店外に出たが、路上でダウンし、店の関係者が通報、救急車で搬送された。この時、バイアグラは未認可だった。ちなみに店の名は「未完成」……。
5日後には新宿コマ劇場のトークライブで無事復帰したエガちゃん。事件の経緯と共に入院中のエピソードとして、
「入院先の看護婦を見てイメクラに来たかと思った。上半身気持ち悪い、下半身気持ちいい状態」
●北京五輪レスリング中継で最高視聴率
08年8月16日、“霊長類最強女子”吉田沙保里が金メダルを獲得した、北京五輪のレスリング女子フリースタイル55キロ級の中継(NHK)で、吉田が表彰式を終えて場内を歩いている際に、スタンド最前列で金色の全身タイツに身を包んだエガちゃんの上半身が大写しに。Twitterに投稿された〈エガちゃんが客席にいる〉の書き込みが拡散され、瞬間最高視聴率32・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得した。
また4年後のロンドン五輪でも、エガちゃんは吉田の決勝戦で、彼女がCMで演じた“安心戦隊ALSOK”のコスチューム(金色)を自分で作り、それを着て応援していた。
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