埼玉小4殺人・ヒモ継父に殺害された少年の親族が明かす「母と前夫の親権争い」

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「ウソの証言」

 さる捜査関係者が言う。

「往生際が悪いと言うか、取り調べでは、過去の経歴や職歴についてもウソの証言を繰り返しています」

 確かに、悠介容疑者のSNSを見れば、仕事は音楽関係となっているが実際には無職だ。生まれは広島県呉市とあり、地元の中高一貫の進学校に進み、上京後は東洋大学の社会学部社会福祉学科に進学とあるが、入学前に別の私立大に通っていたことがあるという。そのプロフィールに添える形で、彼は公園で被害少年と思しき子供とサッカーに興じる写真も大々的にアップしているのだ。これは子煩悩な父親であることを誇示したかったのか。

 先の捜査関係者によれば、

「2人は昨年、SNSで知り合い意気投合して、今年3月に悠介容疑者は妻側の戸籍に入る形で結婚している。家計もすべて彼女の側におんぶにだっこで、いわばヒモ状態で暮らしていた」

 養う側だった被害少年の母親は、地元・さいたま市内の進学校を経て教員に採用され、同じ県内の公立高校に勤める五つほど年上の男性教諭と結婚。遼佑くんを授かるが、5年前に離婚してしまう。

 その頃を知る近隣住民はこう振り返る。

「進藤さん夫婦は6年ほど前に共同名義で土地を買い家も建て、子供2人に加え母親側の祖父母も同居する2世帯住宅でしたね。おじいちゃんはもう仕事を引退したらしく、亡くなった遼佑くんを乳母車に乗せ毎日散歩していました。なのに、暮らし始めてから1年ほどして他へ売ってしまった。新築なのに勿体ないと思いました」

 殺された遼佑くんには兄がいて、実父に引き取られていったというのだ。

 そこで被害少年の親族に話を訊いてみたところ、

「離婚の原因は夫婦共働きですれ違いの日々が続いたからと聞いています。母親は激しく親権を主張して別れるまで一筋縄ではいかなかったんです。結局、調停委員を立て両者で話し合い、兄弟分離という形になってしまってね。あの時、お兄ちゃんと離ればなれにならず、お父さんの側に引き取られていたらと思うと……」

 すったもんだの末、幼い男の子を抱えた母親だったが、職場では悲愴感を漂わせることはなかった。

 2年前まで勤務していた高校の元教員によれば、

「髪型はセミロングで、すらっとしていて颯爽とした人でね。保健室の先生として実直に仕事に取り組まれていて、生徒からの信頼も厚かった。プライベートのことは今回の報道で初めて知ったくらいで、家庭のことで悩んでいる素振りは一切見せていませんでした」

 事件現場の近隣住民に話を訊くと、

「教職員住宅に住んでいたから、学校の先生だとは思っていましたが、仕事に向かう時はいつもスポーティーな出立ちでしたね。毎朝早く家を出て行くので忙しそうだけど小綺麗にしていて、歳よりも若く見えた。お父さんの姿は見たことがなく、遼佑くんが自分で鍵を掛けていたから、てっきり母子家庭なのかなと思っていたくらいですよ」

 被害少年の同級生の保護者は、

「遼佑くんは英語塾の他にも、1年生の時から週1回スイミングスクールに通って、クロール、背泳ぎ、平泳ぎを習得していました。同学年の子の中では身長が高い方で、率先して元気に挨拶してくる。礼儀正しく、教育熱心なご家庭のお子さんという印象です」

 しっかり子供に習い事もさせ、仕事に励むキャリアウーマンの母は、悠介容疑者の隠された凶暴性に気づくことはできなかったのか。

週刊新潮 2019年10月3日号掲載

特集「『埼玉小4殺人』悲劇に元凶 女を捨てられなかった『42歳女教師』の十字架」より

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