101歳の農家「田代弘さん」が送る“晴耕雨読”の生活術 【続・達者な100歳にはワケがある】
「焼酎を湯呑で2杯」
毎朝必ず、地元の「西日本新聞」と専門紙「日本農業新聞」にも目を通している。
「気になるニュースはトランプ大統領。選挙のためとはいえ派手な行動が多くて、さすがに彼はやり過ぎだと思います」(同)
この歳で、海外のニュースまで好奇心を失わない弘さん。驚かされるのは、老眼鏡を使わずに裸眼で読んでいることだ。
「60歳くらいまでは使っていたんですが、それでもボヤけて見づらくなった。これではいけんと思い、本で読んで自分でも考えた目の体操をやり始めたところ、視力が回復して見えるようになった。白内障になったこともありません。毎朝5時半に起きたら、まず目薬を差して目を上下左右に動かす。次に目を時計回りと反対回りにそれぞれ数十回まわしたり、両手も開いて閉じてを繰り返す。あとは腹筋を20回するのも日課ですね」(同)
奇しくも、(1)で紹介した時計職人の石田さんも、同じく目と手の体操を行っていたことに注目したい。加えてここでも「酒は百薬の長」が。弘さんも晩酌を嗜むというから、働き者の「百寿者」に欠かせない習慣なのか。
「すごく飲むわけじゃなくて、水で割った焼酎を湯呑で2杯。麦でも芋でも蕎麦でも焼酎ならなんでも好きです。朝食の際には養命酒も欠かしませんね」(同)
これまで病院のお世話になったのは、4、5年前に高血圧で薬を処方された程度だと、弘さんは胸を張る。
「がん検診も問題ないですね。歯は戦争で前歯を折ったけど、今でも20本くらいは自分の歯。だから食事も美味しく食べられます。あと気を付けていることは肌の手入れ。朝は顔を洗ってから、夜は風呂に入ってから男性用の化粧水と保湿クリームを塗る。これも60歳くらいから続けていますかね。こういう事は運動にせよ続けることが大事。『継続は力なり』を日々実感しています。これからの目標なんてものは特にありませんが、今まで通りの仕事をしっかり継続してやっていきたい。勉強を続けて工夫してきたおかげで、最近は無農薬のトマトも作れるようになった。お客さんから“美味しいから来年も作って”と言われるんですが、“来年があるか分からんばい”と答えておきました」
まさに「仕事を追え、仕事に追われるな」の格言を体現している人生の先輩たち。その達者なワケを探って見えてきたのは、確かな実績に裏打ちされた日々の習慣。後輩たる我々の生きるヒントに溢れているのだ。
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