100年休まずに時計職人「石田要一さん」日本記録を保持 【続・達者な100歳にはワケがある】

ドクター新潮 健康 長寿

  • ブックマーク

日本記録を更新

「3年前の県民スポーツ祭のマスターズ大会で、5メートル39を投げて95歳から99歳の部で日本新記録、翌17年には5メートル58で記録を更新。まだ破られていないんだ。今年も10月にマスターズの大会があるから出場する予定だよ」(同)

 元来、砲丸投げは瞬発力が要求されるスポーツといわれる。石田さん曰く、

「もともとはマスターズの男子陸上100メートル走に出る予定だった。男子の最速記録が20秒台だったんで、自分の方が速いんじゃないかと思って家の前で走ってみたら10秒台だったの。それで出場を目指して練習したんだけど、慣れてないから膝を悪くしちゃってね。それで人から勧められて砲丸投げに替えたんだ」

 仕事が終われば、軽自動車でスーパーへ買い物に向かうが、持ち前の瞬発力と動体視力で、世間を騒がせる高齢ドライバーの事故とは無縁のハンドル捌(さば)きだ。

 ちなみに、奥さんを亡くして以降は買い物から調理までを一人でこなす石田さん。一汁三菜を心掛けるが、お酒好きだとも明かす。

「毎日の晩酌は日本酒をコップ1杯弱くらい。温泉に行けば5、6合飲んじゃうけど普段は暴飲暴食なんてしませんよ。それでも、2週間前に病院で腎臓が腫れていると診断されてしまったので、今は禁酒しているの。僕はお医者さんのいう事はよく聞くからね」

 さすが「酒は百薬の長」なのだ。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年9月26日号掲載

特集「大反響『現役』だからめでたい! 続・達者な『百歳』にはワケがある」より

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。