「三谷幸喜」最新映画 「佐藤浩市」出演で甦る“反権力発言”炎上
三谷幸喜監督(58)の新作「記憶にございません!」が封切られた。出演陣に佐藤浩市(58)の名を見た人々の脳裏に甦るのは、そう、あの騒動の記憶……。
ロッキード事件の証人喚問での政商、小佐野賢治の“迷言”、「記憶にございません」。いまや追い詰められた政治家の常套句になったが、これを連発するダメ総理が事故で本当に記憶を失ってしまう。作品は、そんな設定の政界コメディだ。
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連日、総理を演じる中井貴一(58)と映画の宣伝に勤しむ三谷監督を、映画会社の関係者は、「力が入るのも当然です」と眺めている。
「かつて三谷さんは、田村正和をダメ総理役に連ドラの脚本を書いたものの、視聴率低迷でコケました。その“トラウマ”を抱えていた彼には、いつか政治モノで雪辱を期すとの思いがあった。だから今作は、満を持しての自信作なのでしょう」
そんな事情に加えて、
「三谷さんはもともと、自作の宣伝に熱心な方。宣伝のためならバラエティ番組への連チャン出演も厭わずなんでもやる。8月の試写会後、安倍晋三総理と対談までしましたからね」
監督自ら駈けずり回った宣伝は、実を結ぶのか。
「それはじきにはっきりするでしょうけれど、興行収入とともに気にかかるのが、謎のフリーライター役を演じた佐藤浩市の存在です」
スポーツ紙の芸能担当記者は、こう切り出した。
「なんと言っても、今年5月公開の映画『空母いぶき』の騒動がありますから。佐藤さんは漫画誌上で、自身の総理役について、“最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕ら世代の役者には残っている”と“反権力発言”。さらに、“ストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらった”と語ったことで、安倍総理を揶揄した、と物議を醸しました」
挙げ句、ホリエモンや小林よしのり、百田尚樹各氏らを巻き込む騒動となった。
「発言が誤読された可能性が高いですが、佐藤さんは“三流役者”と指弾され反権力役者のレッテルまで貼られました。今回、三谷監督が“ザ・権力者”の安倍総理の力を借り、映画を宣伝したのは皮肉な話です」
風刺画の巨匠、山藤章二氏は、佐藤の発言について、
「大衆が抱いたのが、立派だというプラスイメージか、俳優はどんな役も黙って演じるべきだ、とマイナスな印象だったか。それは人それぞれだと思います。しかし私は、役者としてはマイナスだったと思いますよ。今回、映画館に行く人はあの発言を知っているわけですから、映画の見え方も変わってきてしまうのでね」
と見ている。このあたりを、佐藤本人はどう受け止めているか。所属事務所は、「なにか言うと……。すみません」と言葉少なである。佐藤こそが、くだんの発言を「記憶にございません!」と叫びたいところだろうか。