石原さとみ、主演ドラマが苦戦の理由は「アラサー女優の壁」

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アラサーの壁

 テレビドラマ研究家の古崎康成氏によれば、

「彼女は『花咲舞が黙ってない』で演じたような、まっすぐで喜怒哀楽のハッキリした役が似合う女優です。しかし、今回の『偽装不倫』のヒロインは屈折した性格。復帰作のセレクトがイマイチだったと感じます。本来なら“ポスト米倉”を狙える女優なんですが……」

 ふたりに共通するのはアラサー女優の壁だ。民放の制作スタッフが言う。

「この年代になると、ドジだけど可愛い新米ナースや新人刑事は演じづらい。そこで多くの女優がカッコいいヒロイン、特に40代ながら視聴率女王に君臨する“米倉涼子”を目指すわけです。ただ、こうした路線変更は難しく、このところ作品に恵まれない石原などは、まさに女優人生の岐路に立たされています」

 反対に、「脱皮」に成功したのが「監察医 朝顔」が絶好調の上野樹里(33)。

「ワガママで扱いづらい女優とされてきた上野ですが、3年前に結婚してから性格が丸くなったと評判」(同)だそうで、「月9」は「のだめカンタービレ」以来にもかかわらず、ほぼ全話で視聴率2ケタ超えを達成した。

 そして、先の吉田氏が「今期一番の作品」と太鼓判を押すのが黒木華(はる)(29)主演の「凪(なぎ)のお暇(いとま)」である。

「何事も周囲に合わせる主体的でない主人公を見事に演じていました。彼女への評価とギャラは今後も上がると思います」

 他方、ドラマの視聴率は6%台と低空飛行でも、独特の存在感を放つのは深田恭子(36)。彼女はすでに「アラフォー」だが、

「今回の『ルパンの娘』ではボディスーツを着こなし、東京ガスのCMでも『うる星やつら』のラムちゃんを演じている。ドラマで話題を集めてCMに繋げる、特異なポジションを築いています」(前出記者)

 夏の陣では「あなたの番です」の前に苦杯を喫したアラサー女優たち。果たして、次の視聴率女王は「どなたの番」になるのか。

週刊新潮 2019年9月26日号掲載

ワイド特集「大いなる誤算」より

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