巨人は「バレンティン」をFAで本当に獲得すべきか? 4つのポイントを分析すると…

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素行面に問題も…

 さらに、気がかりなのがプレー以外の素行面だ。ここ2年間は大きな問題は起こしていないが、過去には首脳陣やチームメイトとたびたび衝突してトラブルメーカーという印象は根強く残っている。過去に巨人入りした外国人選手もローズやゲレーロなどが首脳陣とトラブルを起こして成績を落としたこともあるだけに、こちらも見過ごせないポイントだ。

 そして、最大の懸念点は巨人外野陣の若返りの遅れに繋がるということである。今季はセンターに30歳の丸佳浩、ライトに37歳の亀井善行、レフトに32歳のゲレーロというのが最も多い布陣で、32歳の陽岱鋼も控えている。ここにバレンティンが加わるとなると、それだけ若手の出番は確実に減ることになる。立岡宗一郎、重信慎之介、石川慎吾といった中堅選手が選手としての旬を逃し、世代交代は遅々として進まないことが容易に予想できるのだ。

 これまでのバレンティンの実績、過去に巨人入りした選手の成績を考えると、来シーズンだけを考えるなら戦力としてプラスになる可能性は高い。だが、その一方で、生え抜きの選手の成長機会を奪い、またトラブルの火種を抱えるというマイナス面も考慮したうえで、獲得を検討すべきだろう。バレンティン、巨人フロント陣がそれを踏まえて、果たしてどのような判断を下すのか。オフの大きな関心事となりそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年9月23日掲載

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