池江璃花子選手、小泉ファミリー、山口組組長…著名人が続々なべおさみに幻惑される理由

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「身を引いてもらいたい」

 困惑の声は政治家の周辺以外からも聞こえてくる。なべは本の中で、山口組3代目の田岡一雄組長の娘の田岡由伎さんを、桜を見るために皇居内へ案内していたところ、当時の天皇皇后両陛下にお会いした、というエピソードを紹介しているものの、

「田岡由伎さんは“あんなことまで書いてしまうなんて……”と困った様子でしたよ」(知人)

 前出の『スター万華鏡』で、なべは田岡組長の息子の田岡満氏の〈命の延長〉を行った、と書いている。なべと満氏、両者を知る関係者によると、

「満さんが体調を崩した時、なべは“気を送っている”と言っていましたね」

 入手し得る限りの資料に当たったところ、なべはそうした「力」について、複数の著作よりも早い段階で、月刊オカルト情報誌「ムー」で明かしている。

〈でね、これは公にはいってないことなんですが……今日、初めていっちゃいます。僕は、ただひとつだけ天から授かった才能があるんですよ。それは病を治すことができる力です。人の命の間尺が見えるんです。いくつまで生きるか、いま病気だとか〉(12年2月号)

 といった具合だが、大学時代からなべのことを知る旧友によると、

「古くから知ってる僕らになべは、気が使えるとか、寿命が見えるとか言ったことは一切ないし、実際にそんな力があるように見えたことも全くない。そもそも、気を送って病気が治るはずがないでしょう」

 もちろん、普通の人が“気”などと言い出しても信じる人はいないだろうが、なべの場合、著名人までもがいとも簡単に幻惑されてしまうのはなぜなのか。

「なべは話がうまくて物を書くのも上手。それは昔からずっと変わらない。だから、それがなべの本質。みんな、伝説を作ろうとしているなべの話術やストーリーテリングに乗せられているのです」(同)

 医学博士の中原英臣氏が言う。

「私が池江さんの主治医なら“一緒にご飯を食べて、なべさんに励まされる程度なら問題ないけど、深入りするのは良くない”と言いますね。民間療法に頼った結果、病院での診察が遅れてしまった小林麻央さんのようなケースもあるわけですから。なべさんには、池江さんが民間療法に入り込みすぎないようにするためにも、身を引いてもらいたい」

 目下のところ、順調に進んでいるとみられる池江選手の治療。しかし、気をつけなければいけない。なべは、それを自分の「手柄」のように語る恐れがある――。

週刊新潮 2019年9月19日号掲載

特集「まだやっているオカルト治療! 『池江璃花子』に取り憑いた怪人『なべおさみ』」より

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