安倍官邸の「二階幹事長外し」作戦がことごとく失敗…どうなる「自民党の金庫」の行方
「オレがいないで…」
さらには、党副総裁に押し込むといったプランも浮上したのだが、
「これには二階派が猛反発。ある最側近議員など『それなら党の金庫も副総裁室に移してほしい』と周囲に公言していたほどです。また二階さん自身も『もし副総裁というのなら、金丸(信)さんのようになってもいいのか』といった不穏なメッセージを、総理に届けています」(前出関係者)
金丸副総裁は92年初めに就任。東京佐川急便からのヤミ献金が発覚した同年8月まで務め、その間は綿貫(民輔)幹事長という体制だった。すなわち、
「このメッセージは、幹事長に実権がなく、すべて副総裁が握っていた時代に戻すぞ、という“脅し”だったわけです。実際に二階さんはこの期間、ほうぼうで『オレがいないでどうやって党を回していくんだ』と息巻いていました」(同)
その一方、こんな“合わせ技”も巧みに用いたという。
「二階さん側から先月、総理の側近議員に『(地元の)和歌山で憲法改正に関する大会を開きたい』という連絡が入りました。これは、親中派の代表格で改正には消極的だとみられていた二階さんが“幹事長に留任させてくれるのなら憲法改正にも真剣に取り組もう”という意思を表明したことになるわけです。これを聞いた総理は、半信半疑で『本当に?』と驚いていたと言います。二階さんは改正に後ろ向きな公明党にも太いパイプがありますからね」(前出デスク)
硬軟織り交ぜるなどお手のもの。老獪な金庫番は「安倍4選」を掲げつつ、再来年へ向け存在感をいや増すばかりである。
[2/2ページ]