安倍官邸の「二階幹事長外し」作戦がことごとく失敗…どうなる「自民党の金庫」の行方
閣僚の入れ替わりはさておき、今回の人事で最も注目を集めたのは二階俊博幹事長の処遇だった。何しろ、3年余りにわたって力の源泉である「党の金庫」を掌握、権勢をほしいままにしてきた人物である。おかげで安倍首相との間にも、にわかに払拭しがたい“力関係”が確立してしまったというのだ。
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「二階幹事長留任に至るまでには、激しい攻防がありました」
とは、政治部デスクである。
「安倍総理は9月3日、党本部でおよそ10分間、二階さんと2人きりで面会しています。ですが、この時点で“勝負”は決しており、総理からは、ただ幹事長の留任が打診されただけでした」
面会直後、幹事長の表情はいつになく明るかったという。両者の間に何があったのかといえば、
「総理が、自身の後継に岸田(文雄)政調会長を思い描き、そのために幹事長に就かせようと考えているフシは、二階さん側にも伝わっていました。二階派が幹事長ポストにこだわるのは、やはりお金。二階さんは官僚や財界人と会食する時、自派の議員たちも連れて行くものだから、一晩で党の金が100万円飛ぶと言われている。『派閥のカネでやってほしい』というのが党の本音ですが、彼らはその旨みを手放したくないわけです」(自民党関係者)
安倍官邸は今回、傘寿を迎えた大幹事長を、あの手この手で外すべく試みたのだが、ことごとく失敗に終わったという。
「まず、衆院の議長に祭り上げるという案は、早々につぶれました」
とは、先のデスク。
「総理にとって、一昨年に成立した譲位特例法の付帯決議にある『安定的な皇位継承を確保するための諸課題』を早く議論すべきだと主張し、女性宮家創設に理解を示す大島(理森)衆院議長は、煙たい存在でした。それもあって、総理の側近である萩生田(光一)幹事長代行が7月下旬、ネットの番組で『憲法改正が進まないなら大島議長を替えるべきだ』と発言した。後任には二階さんを、という意図だったのですが、当の二階さんからも『立場を考えて発言してほしい』と批判され、結果、議長交替の目は消えてしまったのです」
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