コンビニ“夏売りおでん”が激減 店側の負担軽減で来年からはレンチンも登場

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 24時間営業の見直しや食品ロスなど、コンビニをめぐる問題がつぎつぎと明るみに出ている昨今。こうした事情が、定番商品の「おでん」にも影響しているという。9月11日には「セブン−イレブン」のオーナーらが“おでんを本部に無断発注された”“暑い時期のおでんは売れずに赤字になる”と公正取引委員会に訴える一幕も。例年おなじみの「夏おでん」が、今年は近所の店舗にはなかった――という方も少なくないのでは。

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 経済産業省は8月30日、「新たなコンビニのあり方検討会」によるオーナーヒアリングの議事要旨を公開した。同会は、業界が抱える問題を検証するべく、今年6月に発足した組織である。

 議事では複数のオーナーの発言が記録されており、まず初めに〈ファーストフードが今コンビニエンスストアの利益悪化の原因の主なもののひとつになっている〉という意見が紹介されている。ここでいうファーストフードとは、レジ付近で販売されている、店員の“調理”を経て提供される食品の類を指す。

 このオーナーが訴えるのは、原価率や粗利率といった点からは見えにくい、ファーストフードの「調理負担」の大きさである。

〈アメリカンドッグとかは、レンジでチンした上で、フライヤーで揚げて販売しますが、何回かの工程の度に手洗いをしないといけないんです。手洗いについては、厚生労働省とか保健所の方から推奨されているのは、1分間の手洗いというふうにされているんですが、最低賃金から1分間差し引くと16円ぐらいになりまして(中略)5本同時に揚げたりとかするので、それでも全部の手洗いだけでも20円ぐらいの負担になります。(中略)食器を洗ったりですとか、さまざまな影の負担の部分というのを全部計算すると全て赤字というふうな計算になるかと思います〉

 さらにオーナー氏は“ファーストフードを扱う店舗と扱わない店舗とでは、後者は150%の増益だった”という例も明かす。自身の店舗でも、扱いを〈フライヤーの少しだけ〉に限定したところ、3~7月で廃棄が35%にまで減り、利益150%増となったという。

 客からは見えてこない、ファーストフードというコンビニの負担――。なかでも「おでん」は、とりわけ“重荷”の商品だという。

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