「最低保証」「100%保証」に要注意! 入ってはいけない「外貨建て保険」実名リスト

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実名リストで一目瞭然! 騙されてはいけない「保険」(2/3)

 専門家が「騙されてはいけない」と警鐘を鳴らす保険商品を実名で紹介。取材に基づき、金融庁に登録している生保全42社のHPやパンフレットから、可能な範囲で抽出していく。今回取り上げるのは「学資・こども保険」である。

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 掲載のリストをご覧いただきたい。これらの外貨建て保険は、いずれもパンフレットなどで「最低保証」「100%を保証」などといった表現を用いている。

 ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が言う。

「“元本保証がある”と言われると、元本より下回ることはないと勘違いする方もいるでしょうが、それはあくまでも外貨建てでの保証。為替レートの変動によっては、円換算での元本割れが発生する可能性もあるのです」

 ちなみに週刊新潮は、外貨建て保険における「最低保証」や「100%を保証」が何を意味するのかを複数の専門家に解説してもらったが、それは金融の知識を持たない者が即座に理解するのは難しい内容だった。

「契約内容を自分で説明できないような商品には手を出さないほうがいい」

 と警告するのは、『いらない保険』など多数の著書もあるオフィスバトン「保険相談室」代表の後田(うしろだ)亨氏。ある商品のパンフレットを見てもらったところ、

「『100%超という数字を見せること』と『最低保証という4文字を使うこと』が目的化しているのでは、と感じます。それだけ、その数字や文言に需要があるのでしょう」

 とした上でこう語った。

「『保険関係費』について、『死亡保障に必要な費用、保険契約の締結・維持に必要な費用です。積立利率を決定する際に保険関係費をあらかじめ差し引きます』と書かれているだけで、いくら引かれるのかが記載されていません。為替などによって変わる“タラレバの数字”がこれでもかと並べてあるのに対し、極めて重要な情報が記されていないのです」

 リストに掲載した商品を出している会社に聞くと、

「お客さまに商品内容、ご負担いただく費用、投資・為替リスク等を十分にご理解いただいた上でご加入いただくよう努めています」(ソニーライフ・エイゴン生命)

 他社も概ね似たような回答を寄せた。

 こうした外貨建て保険については、国民生活センターへの相談件数も増加しているといい、

「そもそも、『外貨建てで最低保証』というのは矛盾をはらんだ表現です。外貨である以上、為替変動によって元本割れする可能性は常につきまといます。『外貨建てで最低保証すること』と『それでも元本割れする可能性があること』を果たして同等に説明しているのか疑問に思います。実際、“貯蓄のようなもの、と言われて契約したが、損をすると知っていたら入らなかった”といった相談が寄せられています」

 と、国民生活センターの担当者は語る。

「もちろん、パンフレットや契約資料には元本割れの可能性についての記述があるのでしょう。しかし、実際の口頭説明においてその点が十分に説明されていない可能性も大いに考えられます。『今は金利が低いけど、外貨建てなら確実に増える』などと、いいところだけを強調しているのではないでしょうか」

(3)へつづく

週刊新潮 2019年9月12日号掲載

特集「『金融庁登録』生保全42社を完全調査! 『実名リスト』で一目瞭然! 騙されてはいけない『保険』」より

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