入ってはいけない「学資保険」実名リスト 子どもが生まれたら…はもう古い?
実名リストで一目瞭然! 騙されてはいけない「保険」(1/3)
騙された――。底なしの様相を見せる不祥事を巡り、かんぽ生命の契約者は不信感を募らせているに違いない。保険会社の「カモ」にされないためにはどうすれば良いのか。そのヒントがぎっしり詰まった、騙されてはいけない「保険」の実名リストをお送りする。
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作家の沢木耕太郎は『バーボン・ストリート』(新潮文庫)に収められた「ポケットはからっぽ」の中でこう書いている。
〈生命保険とは、自分の命を担保にして、死後に残される者たちのために大きな賭けをすることだといえる。掛け金というチップの少ないうちに勝負がつけば勝ちだし、チップを営々と積み上げていけば負けになる。賭けに勝つためには早く死ぬことだという残酷さが生命保険にはある〉
では、生命保険という「賭け」を他の「賭け」と比べてみたらどうなるか。
興味深いデータがある。
比較するのは、「還元率」。その「賭け」の参加者から集めたお金の何%が「当選者」に還元されているかを示す数字だ。
「(1)還元率が50%弱だという判断材料がある商品。(2)還元率が75%だという判断材料がある商品。(3)還元率が25%~80%と見られるが、判断材料が乏しい商品。このうちのどれが保険の還元率を示しているか分かるでしょうか? 答えは、(3)。ちなみに、(1)は宝くじ、(2)は競馬です」
こう語るのは、大手生保と代理店で約15年の営業経験があり、『いらない保険』など多数の著書もあるオフィスバトン「保険相談室」代表の後田(うしろだ)亨氏。
「還元率だけを見たら、ほとんどの保険は競馬よりダメで、宝くじよりマシなものと、宝くじより酷いものが混じっているような状況です。そもそも、ギャンブルにお金をつぎこむのが問題視されるのは、胴元の取り分だけ、お金が失われやすいことが分かっているからです。だから熱くなってはいけない、と言われる。つまり、お金の還元率の悪さを薄々感じていて、警戒しているわけです」
しかし我々は、ギャンブルに抱くような「警戒心」を、保険に対しては働かせることができない。それはなぜなのか。
「不安のせいだと思います。誰でも病気になった時やお金が足らなくなった時のことを想像すると居心地が悪いものです。それで、早く落としどころを見つけたくなって、短絡的な選択、つまり、“保険に入っておけば安心”という結論に至りやすいのではないでしょうか」(同)
保険料の二重徴収など不適切な疑いのある事例が実に18万3千件も見つかった「かんぽ生命」の不祥事。数多の顧客が郵便局員の甘言を見抜けなかったのは、相手に対して警戒心を抱いていなかったから、という側面もあろう。だからこそ、保険の「乗り換え」などに易々と応じてしまったのだ。そして、顧客にとって本来必要のない「乗り換え」や「見直し」を勧めるような不適切な営業は、かんぽ以外の生保会社でも行われている。騙されないためには、必要最低限の知識を身につけ、「自衛」するしかない。
そこで今回、週刊新潮は複数の保険の専門家に保険の選び方などについて取材。数ある商品の中でも、特に「騙されてはいけない」と専門家が警鐘を鳴らすのが、掲載のリストに入った商品だ。いずれも、専門家への取材を元に週刊新潮が、金融庁に登録している生保全42社のHPやパンフレットを確認し、可能な範囲で抽出したものだ。
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