「ヘルプマーク」を付けた彼が、電車の中で怒鳴り声を上げたやり切れない理由

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 先日取材に向かうため電車に乗っていた。座席は埋まっているものの、そこそこ空いており、いわゆる「狛犬ポジション」(ドアの両端)に人が立っている程度だった。腰を痛めている私は座席に座っており、スマホに目を落としていた。

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 すると、突然「このカードが見えねぇのかよ!」と怒鳴る男性の声が車内に響き渡った。私が座っている座席のもう1つ向こうのシートで20代半ばくらいの男性がうつむき加減で興奮している。

 よく見ると、彼のリュックには赤地に白の十字とハートマークが描かれたヘルプマークがぶら下がっている。...

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