日ハム・斎藤佑樹、いまだ「0勝」で戦力外か 権藤博氏は「敗戦処理でも投げさせるべきだ」
日本ハムの斎藤佑樹がどこか“寂しげな雰囲気”を漂わせている。
「ファンが声をかけてはいけないような暗黙の空気があるんです。気軽に応えてくれるし、ファンサービスもしてくれる。でも、どこか寂しげというか……。球場入りする時はひとりか、(高校の先輩である)荒木大輔・二軍監督と一緒にやってくることが多い。仲良い選手と談笑しながら……というのはあまり見かけないですね」(日本ハムの二軍本拠地・鎌ケ谷に通うファン)
今季の斎藤は4月4日、今季初登板となった楽天戦で、ブルペン投手をローテーションの谷間に先発で投げさせる「オープナー」を経験したが、結果が伴わず二軍降格。その後も一軍に昇格する機会もあったが、0勝2敗、防御率4.74と、またもファンの期待を裏切り、再び二軍暮らしを余儀なくされている。
「球速が出ていないが、制球が安定しています。先発を任せるのは厳しいかもしれないが、短い回を投げる中継ぎならなんとかなる。一軍のチーム状況もあり、一人でも多くの投手がほしい。斎藤にとってチャンスなのですが……。一軍の栗山英樹監督の期待が大きいことはわかりますが、斎藤自身が一軍で投げることに自信を失っているので、投げるポジションを考えるべきだと思います」(日本ハムの担当記者)
これまで多くの名投手を育てた元横浜ベイスターズ監督で、野球解説者の権藤博氏は、斎藤の起用法について、どう考えているのか。
「オープナーなど周囲の注目を浴びる場所での登板が多い。斎藤は注目されるのが好きそうに見えるけど、投手というのは本来、神経質なもの。ここまで結果が出ていない状況が続いているなかで、本人には負担しかないんじゃないかな。二軍ではなく、一軍に帯同させて、中継ぎでも敗戦処理でも投げさせるべきだ。大差でリードしている状況でもいい。どんどん投げさせて抑える回数を増やすことで自信も戻ってくる」
さらに、権藤氏はこう続ける。
「斎藤の一番の長所はスライダー。この球が投げる球種の中で飛び抜けて良かった。他の球が悪くてもスライダーがあったから抑えることができ、メンタル的にも強気になれた。でも、今はスライダーが平均の球になり、キレがなくなって苦戦している。よく言われる『投球術』というのは、マウンド上で、打者を見下せているからできる。まずは短い回でも抑えることで自信を取り戻すこと。それがやれれば、まだまだできると思う」
「これまではチャンスすら与えられなかったので、斎藤には不貞腐れている態度も見受けられた。しかし、今年はそういった姿を見かけないので、気持ちは切れていないのではないか」と見るのは、前出の日本ハム担当記者。プロ入り9年目で通算15勝26敗。「斎藤佑樹を戦力外にしろ」というプロ野球ファンの厳しい意見が少なくないが、斎藤はプロの世界で、まだ“居場所”を見つけられるだろうか。