アラフォーバツイチ女性が再婚相手に自分の姓を名乗ってもらおうとしたら双方の親にガチギレされた件

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「無理無理無理! ないないない!!」

 再びのややこしい手続きを経て、独身に戻った明日香さんだが、数年後、友人の紹介で今の夫となる河合芳雄さん(仮名)と知り合い、お付き合いがスタート。やがてふたりの間に結婚の話が出たが、明日香さんは事実婚を希望、一方で夫となる芳雄さんは法律婚を望んだという。

「そもそも、わたしのほうは、どうしても結婚がしたいってテンションじゃなかったんですよね。30代で独り身は退屈だし、誰かいたほうが面白くていいなって思ったので、恋人の存在はありがたかったけど、あの手続きをもう一度するのは、まっぴらごめんだなって。だから事実婚を提案したんだけど、彼のほうは『初婚だし、配偶者控除が受けられたほうがいいから、どうしても籍を入れたい』と」

 平成28年度人口動態統計特殊報告の「婚姻に関する統計」によると、夫婦とも初婚の場合、妻の氏を採用した夫婦はわずか2.9%。しかし、これが夫が初婚で妻が再婚の夫婦になると、6.6%となり、さらに、夫婦ともに再婚の場合は、9.0%と約3倍にも数字が跳ねあがる。一度目の結婚で「懲りた」女性たちが、二度目の結婚に望むことのひとつが「姓を変えないこと」であることはデータからも明らかだ。明日香さんもまた、そう考え、夫の芳雄さんに告げたという。

「結婚に向けての話し合いの中で『とにかく苗字を変えたくない』っていうのを度々伝えていたら、よっぽどのことだっていうのが伝わったらしくて、『俺が変えるの? それって俺だけ、手続きとか大変だし、おかしくないですか?』って言われて。

 それなら交換条件として、新居の場所を彼の会社の近くにして、私は長距離通勤するっていうことを提案して。その代わり2人とも『手続きが面倒くさい』とか、『会社が遠い』とかいう文句は言わないようにしようって。そういう話で決まったんだけど、今度は双方の親の理解が、まったく得られなくて」

 まずは明日香さんの実家を訪れて、結婚の報告とともに姓のことを告げたところ、明日香さんの父親は「婿養子に入るわけではなく、ふたりで新しい戸籍を作るのだから、好きにすればいい」と容認したものの、一方で母親は強い拒否反応を示すことになった。

「『無理無理無理! ないないない!!』って叫ばれました。『結婚はあなたのわがままだけではできないんだから、人が理解できないことはやめろ』ってきつく説教されて。世間と違うことをわざわざする必要がない、世間体もある、向こうの親御さんもいい顔しないだろうしって、すごく責めてきて。

 そもそも私はバツイチで、若くもなく条件がすごく悪い。そんな立場なのに、名前まで変えてもらいますってわけわからんことを言うのはひどい話だ。本来なら、売れないものが売れたんだからちょっと自粛しろ、みたいな感じで。

 だから、交換条件の話もしたんです。『代わりに私の通勤距離が長くなるから』って。そしたらそんなの、当たり前でしょって言われて。『男の人に尽くすのが結婚なのに、上から目線でなにを言ってるの』って。それでもひたすら説得をして、納得はしてないけど、しょうがないっていう話にまとまりました。しぶしぶでしたが」

 しかし、それ以上に大変だったのが、芳雄さんのご両親の反応だった。

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