巨人の対広島戦は過去5年間で45勝76敗、リーグ優勝の後に待ち受ける“CSの悪夢”

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71年ぶり2度目の屈辱

 8月27日、巨人は広島に2-0の完封負けを喫した。巨人は対広島戦で、5年連続の負け越しが決定。まさに屈辱の1戦だったと言えるだろう。

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 首位を走る巨人は9月7日現在、2位のDeNAと2・5ゲーム差。8月31日に「優勝まで16勝」に減らしていたマジックは、9月1日の阪神戦に敗れて消滅した。6日のヤクルト戦にも敗北し、何と6連敗となってしまった。

 しかし7日のヤクルト戦は10-6で勝利し、8日の試合は台風で中止となった。そして巨人は10日からDeNAとの3連戦、13日から広島との2連戦を戦う。セ・リーグの上位3チームが直接対決を行うわけだから、盛り上がるのは確実だ。

 巨人ファンには胃の痛い5日間になるかもしれない。特にCS(クライマックスシリーズ)まで視野に入れると、巨人が広島への苦手意識を克服できるかは大きなカギを握る。

 たとえDeNAに3連勝したとしても、広島に2連敗してしまえば、CSの行方に不安を感じるジャイアンツファンは少なくないだろう。

 何しろ「同一球団に5年連続で負け越し」という不名誉な記録は、巨人の長い歴史の中でも、そうはない。具体的には「71年ぶり2度目」で、驚くべきことに初記録は1リーグの時代に遡るという。

 1945年8月、日本は敗戦を迎えた。この年のリーグ戦が中止されることは、前年に決まっていた。もちろん戦局が悪化し、プロ野球どころではなかったからだ。

 そして中止となった45年を挟み、巨人は43年と44年、そして46年、47年、48年の5年間、阪神に負け続けた。今年の原巨人は、この屈辱的な記録に並んだことになる。

 27日の試合を終えると、原辰徳監督(61)は広島戦負け越しが決まったことを記者に問われ《いい気持ちはしないね。力そのものは今日まではカープが上回ってるというところでしょうね》とコメントした。

 だが、原監督は内心、腸が煮え返るほど悔しい思いをしているに違いない。改めて、巨人がどれほど広島を苦手にしているか、表にまとめてみた。

マツダスタジアムでは6年連続で負け越し

 巨人はマツダスタジアムを苦手にしていると言われる。改めて表で5年分の結果を見てみると、恥ずかしい数字と言わざるを得ない。今年の“首位を走る巨人”でも、何と勝率は3割6分4厘。完敗と言っていい。

 表にある通り、2014年は12勝10敗と勝ち越したが、マツダスタジアムの試合は5勝6敗と負け越してしまった。つまり、6年連続でマツダスタジアムでは負け越していることになる。

 もちろん、データを鵜の目鷹の目で分析しているスポーツジャーナリズムが、こんな“珍現象”を見逃すはずがない。これまでに様々なメディアが謎を解こうと取材してきた。少し振り返ってみよう。

 まず現代ビジネスが18年10月18日に掲載した「広島躍進・巨人凋落の原因。プロからみたらこんなにシンプルだった」。執筆者はプロ野球解説者の西山秀二氏(52)だ。

 西山氏は2009年にマツダスタジアムが完成したことで、カープ女子が急増。同年の年間観客動員数が一気に約50万人増えたことに着目する。

《このファンの急増によって、球団にどんどん金が入ってきました。ドラフトが改革されて、いい選手が穫れるようになったうえに、予算が増えたから、外国人選手にも他球団並みの金が使えるようになったわけです》

 実に説得力のある指摘だが、これは広島が強くなった理由ではあっても、巨人が広島を苦手にする理由にはならない。

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