麒麟「川島明」、2本の新番組でMCに お笑い界有数のマルチプレーヤー
品の良さ
芸人としての実力だけでなく、川島には生来の品の良さがある。この点もテレビのスタッフには高く評価されている。ガツガツしていて品がないと思われる芸人も多い中で、川島にはどこか上品さが漂っている。端正な外見で落ち着いた話し方をするし、そもそも芸風自体も上品で、露骨に他人を貶めて笑いを取ったりすることもほとんどない。
自分ばかりが目立とうとグイグイ前に出るタイプでもない。バラエティ番組でも基本的には他人の話に耳を傾けていて、相手の言っていることを生かす姿勢がある。関西芸人でここまで品の良さを漂わせている人はあまりいない。
川島も順風満帆にここまで来たわけではない。2007年には相方の田村裕(40)の著書『ホームレス中学生』(ワニブックス)の大ヒットがあった。しばらくは田村ばかりが脚光を浴び、川島が冷遇される日々が続いた。コンビでテレビに出たときに自分にだけピンマイクが付けられないという屈辱も味わった。そんな中でも川島は腐らず、黙々と努力を続けていた。その成果がいま結実しつつある。
サンドウィッチマンの爆発的な人気ぶりからも分かるように、昨今では芸人にもアクの強さより落ち着きと品の良さが求められている。時代の空気は川島に味方している。2本の新番組をきっかけにして、これから飛躍していくのは間違いないだろう。
[2/2ページ]