鳥谷、掛布をバッサリ…功労者を切り捨てる阪神タイガース“暗黒の歴史”を振り返る

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“ミスタータイガース”がタテジマのユニフォームを脱ぐ。同時に2人も……。

 球団は8月29日、現代の“ミスタータイガース”鳥谷敬内野手(38)に「今年で辞めてください」と引退勧告を突きつけた。一方で、かつての“ミスタータイガース”であり現在は阪神のオーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)を務める掛布雅之氏(64)には、結局1軍コーチにすることもなく、「これが最後になります」と退団を伝えていたという。

 阪神はなぜ、球団の功労者にこうも冷たいのだろうか。

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 9月5日現在、阪神は4位。2・5ゲーム差で広島を追っている状況だ。その広島には11勝10敗で勝ち越している。もし3位に上がることができれば、クライマックスシリーズ(CS)が待っている。

 その矢先、史上50人目の公式戦2000本安打、史上15人目の1000四球達成者の記録を持つ鳥谷に、引退を突きつけたのである。確かに今季の鳥谷は、代打中心で打率は2割5厘、本塁打も打点もない(9月5日現在)。決して、活躍したとは言えないが、いきなり「引退勧告」とは、あまりにも酷すぎる。

「ベンチがアホやから野球がでけへん」と捨て台詞を残してタイガースを去った、野球解説者の江本孟紀氏も呆れる。

「阪神に昔からあるパターンですわ。どこかの国じゃないけど、チームの成績が悪いことから目を逸らすために、悪者を作るんですわ。確かに今季の鳥谷は、戦力になっているとは言えない。だからといって、チームが一丸となってCS進出へ向け戦っている今、引退を通告する必要はないでしょう」

 そして、掛布も今季限りでユニフォームを脱ぐことに。ファンが長年待ち望んできた、彼のタイガース監督就任も夢と消える。

「そればかりじゃありません。振り返れば、田淵(幸一)さんだって、江夏(豊)さんも、監督をやったノム(野村克也)さんだってそう。阪神の功労者はみんな、ロクな去り方をしていない。球団は“井の中の蛙”で、狭い視野でしか考えられないから、こんなみっともないことになる。昨年まで監督をやった金本(知憲)だって同じですよ。最下位ではあったけど、当初は続投のはずだった。それが巨人の高橋由伸監督が3位で辞任ということになったから、慌ててクビになった。だけど後任が見つからないから2軍監督の矢野燿大監督を持ってきた。そんな人事しかできないんです」(江本氏)

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