あの頃の日本はクサかった(中川淳一郎)
1970年代後半から80年代中盤の少年時代の夏を思い返すと必ずセットで浮かぶのが、「悶絶の臭気」です。いや、どの季節でも当時の日本はクサ過ぎた。まず、夏休みは福岡県浮羽(うきは)郡(当時)の祖父母の家に行っていたのですが、この家の便所がボットン式だったので、息を止めながら用を足すのが習慣でした。
東京都国分寺市のいとこの家にも頻繁に行っていたのですが、そこは公営住宅で、同様にボットン便所です。週刊少年ジャンプが棚にズラリと並び、クソをしながらジャンプを読める家でした。...