「FOREVER 21」は破産申請を検討 苦戦が続く欧米FFでは「ZARA」が一人勝ち?
8月28日、米国のカジュアルブランド「FOREVER 21(フォーエバー・トゥエンティーワン)」が、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の申請を検討していると、ブルームバーグが報じた。
「FOREVER 21」は2009年に日本に初上陸し、東京・原宿に1号店を構えて話題となった。その後、銀座をはじめ北海道から沖縄まで最盛期には25店舗を構えたが、現在は14店舗に。原宿店は17年に閉鎖している。同ブランドばかりでない。欧米カジュアルブランドの主要店の閉鎖が相次いでいるのだ。黒船と言われたファストファッション(FF)ブランドは現在どうなっているのだろうか。
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まずは主要な舶来カジュアルブランドが、いつ頃から日本に入ってきたかを振り返ってみよう。
●95年:米国「GAP(ギャップ)」が銀座の数寄屋橋阪急内に1号店を出店
●98年:スペイン「ZARA(ザラ)」が渋谷に1号店
●08年:スウェーデン「H&M(エイチ・アンド・エム)」が銀座、原宿に出店
●09年:米国「FOREVER 21」が原宿に1号店(註:H&Mの隣)
●10年:「FOREVER 21」が銀座松坂屋に「GUCCI」の後継としてテナント入り
●12年:米国「GAP」傘下の「オールド・ネイビー(Old Navy)」がダイバーシティ東京プラザに初出店
これが、その後どうなったかと言えば、
●13年3月:「FOREVER 21」銀座店閉鎖
●15年2月:「ZARA」銀座マロニエ通り店閉鎖
●17年1月:「オールド・ネイビー」日本から撤退
●17年5月:「GAP」渋谷店閉鎖
●17年10月:「FOREVER21」原宿店閉鎖
●18年7月:「H&M」銀座店閉鎖
●19年5月:「GAP」原宿店閉鎖
銀座や渋谷、原宿など、都内の一等地に構えた店舗が次々と閉鎖されているのだ。どうやら「FOREVER 21」のみならず、他の海外ブランドも苦戦中のようだ。そこで「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)などの著書がある、ファッション流通コンサルタントの齊藤孝浩氏に聞いた。
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