猫も杓子も何かに「沼ってる」時代の空気をとりこんだ「だから私は推しました」
何かに、あるいは誰かに夢中になってハマってしまうことを「沼に沈む」「沼に落ちる」「沼る」というらしい。ズブズブと沈んで、抜け出せなくなるからだ。私自身、沼ったことは人生でたぶん一度もない。軽くハマることはあっても、すぐ飽きる。金や時間や魂を注ぎ込むまでいかない。ファンにもオタクにもなれない自分は、何か欠けているのだろうか。猫も杓子も何かに沼ってる、そんな時代の空気をとりこんだドラマがある。「だから私は推しました」だ。相変わらず前近代的な内容と手法のドラマが多い今夏、目立っているし、禍々(まがまが)しくて、新しい。...