「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は土曜日に左遷 苦肉の“抱きつき作戦”
テレ朝のリストラ!?
朝日新聞は8月23日の朝刊で、「『ドラえもん』土曜に」という、以下の記事を掲載した。
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《テレビ朝日系の人気アニメ「ドラえもん」(金曜午後7時)と「クレヨンしんちゃん」(同7時30分)が、10月5日から土曜の放送になる。ドラえもんは午後5時、クレヨンしんちゃんは午後4時30分から。22日、テレ朝が発表した》(註:全角数字を半角数字にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)
短いニュースだとはいえ、反響は大きい。たとえばツイッターを見てみると、「ついにゴールデンからアニメ番組が消えたか」と時代の趨勢に想いを馳せる書き込み、子供の親と思われる「土曜夕方は見づらい。金曜夜の方がよかった」という不満など、様々な意見が飛びだしている。
この改変については、そもそもサンケイスポーツが7月に詳報していた。27日に掲載された記事「Mステ8→9時に!テレ朝系金曜ゴールデン帯、10月から大改革」によると、金曜の午後7時からの番組表は以下のように変更されるという。
午後7時:「ザワつく!金曜日」
午後8時:「マツコ&有吉 かりそめ天国」
午後9時「ミュージックステーション」
ビデオリサーチが公式サイトにアップする「週間高世帯視聴率番組10.」のバックナンバー「VOL.31 2019年 7月29日(月)~8月4日(日)」に興味深いデータが載っている。8月2日、金曜夜の視聴率に関するものだ。(註:率は全て関東地区、以下同)
まず午後7時からNHKは「ニュース7」を放送したが、この平均視聴率は13.7%に達した。
“裏番組”にあたるテレビ朝日の「ドラえもん」は5.7%。NHKの半分以下だ。次の午後7時半から始まった「クレヨンしんちゃん」は、「ドラえもん」より少しは良かったが、それでも6.2%だった。
苦戦するテレ朝を尻目に、NHKは午後7時57分から「チコちゃんに叱られる!」の放送を開始。こちらも13.5%と、さすがの人気だ。
さらに近年は、テレビを録画する層も増えている。そのためビデオリサーチは「タイムシフト視聴率(世帯)10.」も公式サイトに発表している。
それでは8月2日の金曜に、多くの人が録画した番組を探そうと「7月29日(月)~8月4日(日)」のベスト10を見てみると、午後10時からTBSで放送されている「金曜ドラマ・凪のお暇」がタイムシフト視聴率9.1%で2位にランクインしていた。ちなみに、このドラマはリアルタイムの視聴率も同じ9.1%だった。
ビデオリサーチが算出した、「凪のお暇」の総合視聴率は17.0%。タイムシフトとリアルタイムを合計した数字より少なくなっているのは、「放送分も見て、あとで録画でも見た」というWカウントを除外するなどの補正を行ったからだ。
「テレビ離れ」が取り沙汰される中でも、金曜夜に2ケタの視聴率を獲る番組は存在する。だが、「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」が、その役目を果たしているとは言い難い。テレビ番組を担当する記者が解説する。
「テレ朝に限らず、地上波のテレビ局にとってアニメーションの視聴者数が縮小しているのは間違いありません。朝や夕方には子供向け、深夜にはマニア向けのアニメが放送される編成が定着しました。内閣府によると、日本の人口は2017年、約1.2億人ですが、0歳から14歳は約1500万人で、全体の約12%しか占めていません。これに対して65歳以上は約3500万人、約27%です」
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