お小遣い月3万円、専業主婦妻の実家のそばに家を建てた31歳イクメンサラリーマンの思考回路
通帳もカードも持たせてもらえない
現在の寺山さんはお小遣い制だ。その額月3万円。妻がお弁当を作ってくれていた時期もあったが、今は子どもの世話で忙しいので、お昼代も含めて3万円だ。しかも、当初は手取りの10%である2万5千円スタートだったらしい。あまりの少なさに絶句してしまったが、どうやら月3万円というのはサラリーマンの間では平均的な金額とのことだ。
「今は現場が都心部なのでお昼を食べに定食屋に入ると900円くらいかかるんです。ワンコインで済ませるとなると牛丼屋くらいしかない。はっきり言ってつらいです。世の男性はどうやって3万円の中でお小遣いをやりくりしているのか不思議です。僕の場合、大半は食費に消え、後は500円玉貯金をして欲しいものを買います。こないだは貯めたお金でワイヤレスイヤホンを買いました。
子どもができるまではこの3万円のお小遣いの中から妻へ記念日のプレゼントを贈っていました。具体的な金額は言われなかったのですが、当時彼女が欲しいと言っていたネックレスがちょうど、僕の財布の中の全財産とぴったりだったんです。どうやって僕の所持金を調べたんだろうと不思議になるくらいでした。でも、子どもができてからは、高価なものはもうやめようと、毎月1日の結婚記念日にはケーキを買って帰ります」
サラリーマン、つらすぎる……。私の家は両親とも財布が別だったのもあり、これが正直な感想だ。そして、貴金属をねだることのできる彼の妻が羨ましくもある。私は人に何かをねだるのが苦手だ。特に貴金属なんて自分にはもったいないと思ってしまう。
彼は仕事をこなし、なるべく残業も避けて帰宅し、子どもの面倒も見る。生まれてすぐの頃は夜泣きもあった。深夜2時に赤子を抱っこして近所を散歩して、その間に細切れ睡眠しか取れていない妻を休ませた。
「噂には聞いていたけど、これがあの夜泣きか〜と思いました。そんな生活が1年ほど続きました。いや〜、世の中の男性、すごいなと。睡眠不足で翌日の仕事がきついんですよね……」
いや、夜泣きの世話をしていない男性のほうが多いはずと指摘すると一言、「うちはそれが許されないから」と言い放った。完全に妻の尻に敷かれている印象を受けるが、妻が財布を握っているおかげで家を建てられたと寺山さんは語る。
「妻はやりくり上手なんです。僕は独身時代、好き勝手にお金を使っていましたが、妻はきちんと貯金していました。だから一緒に暮らすことになったとき、引っ越し代や家具・家電代でほとんどお金がなくなってしまい『私はこれだけ貯めていたのにあなたは貯めてなかったの?』と怒られてしまいました。
また以前、勝手に通帳を作ったら怒られてしまったので、結婚前にへそくり用の隠し口座を作っておくべきだったなと……。カードも持たせてもらえないので、ネットで買い物もできないし、現金がないときは本当に困りますね」
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