YOSHIKIが「じん帯完全断裂」しても痛みをおして演奏を続けた理由

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 X JAPANのYOSHIKIが8月9日のディナーショー中、ファンに複数回強く手を握られ、右手首靭(じん)帯の状態を悪化させた。それでもショーを続ける彼の姿をテレビでは、〈ファンのため痛みをおして演奏〉とテロップを付けて報道。米国の主治医からは、「手首の靱帯が100%完全に切れている状態」と診断されていることも併せて報じた。

 医療関係者によれば、

「靭帯の完全断裂は“III度”と重篤で、手首を動かすこと自体がかなり困難なはず。手術を検討すべき状態が予想されます」

 YOSHIKIは過去に幾度も、満身創痍を訴えながらパフォーマンスを続けてきた。2015年に右手の腱が半分切れ、「もう治らないらしい」と告白。ボトルのキャップを回すだけで激痛が走る状態だったというが、その後も紅白などに出場。一番の爆弾は首だそうで、狭窄症とヘルニアに悩まされ2度の手術をしたとか。17年5月の手術前は、「引退を余儀なくされたラグビー選手」の状態で、1月の時点で「左手の感覚を失っている」にも拘らず、2カ月後にはX JAPANのライブに出演した。

「自己犠牲を美徳とする日本人特有の感覚にマッチするのでしょう」

 とは評論家の唐沢俊一氏。

「ケガのリスクを抱えながら、連日150球以上を酷暑のなか投げ続ける甲子園のエースや、脚を痙攣させながらも必死に襷を繋ぐ箱根駅伝のランナーに日本人は感動する。YOSHIKIが靭帯完全断裂という苦痛を抱えてもなお、ファンの為に演奏を止めないのも同じ構図です。日本人が最も好きなジャンルを全うしているんですよ」

 苦痛もエンタテイメントに昇華させる世界のYOSHIKI。流石超一流です。

週刊新潮 2019年8月29日号掲載

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