イオンから「3本1000円ワイン」登場、“ストロング系”に対抗なるか 医師からは溜息も
「吉澤ひとみ」「山口達也」事件で患者増加
ただし、これは酒の種類がワインに取って代わるだけの問題ではない。近年、流行しているRTDのうち、人気の核となっているのは“ストロング系”とされるアルコール度数の高いチューハイ。一般的に、ビールや発泡酒、第3のビールの類の度数は5%前後であるのに対し、ストロング系RTDの多くは9%前後。そしてワインはそれ以上……。飲みやすさは違えど、度数の強い酒がこれまでより手に入りやすくなるというわけだ。
“ここ数年で、アルコール依存で訪れる患者は10%ほど増えた”と証言するのは、新宿東口ハートクリニックの中田貴裕院長だ。
「昨年の吉澤ひとみさんと山口達也さん、2つのアルコール絡みの事件が報じられ、患者さんは特に増えました。新宿という場所柄か、多いのは3-40代のご家庭をもった男性ですね。事件を知って我が身を鑑みて、あるいは家族が心配して……というケースが多いです」
酒気帯び運転とひき逃げ事故を起こした元モー娘。の吉澤は、前夜に「350mlの9%チューハイ」3缶などを飲んでいたという。元TOKIOの山口も、アルコール依存症であると報じられている。
「依存症の方が好むのは、テキーラなどの度数の強いお酒。これは昔も今も変わりません。ただ最近は、ストロング系チューハイをはじめ、度数の高い酒が安く手に入るようにもなりましたからね。依存症患者を増やす一因になっている印象はあります。その点、ワインだけで依存症にというのはあまり聞きませんが、ほかの酒に加えてワイン、という飲み方はある。なにより、安く購入できるお酒の選択肢が増えるという事は、依存症という観点からは好ましくはありません。今は24時間コンビニで酒が買えるうえ、ネットでも手に入る。依存症の治療が難しい時代になっているといえますが、そうはいっても、酒を売るのを止めることはできませんしね……」
酒は飲んでも飲まれるな、を改めて胸に刻みたい。
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