歴史を学べば日韓友好は進むのか 『検定版 韓国の歴史教科書』の困った内容
なぜ韓国人は「独立国・戦勝国神話」にしがみつくのか
それにしてもなぜ、実態はそうではないのに「国家」にこだわるのでしょうか。その理由は、かつて朝鮮半島が日本の領土であったこと、その出身者は朝鮮人ではあってもみな日本人とされることが不都合だからです。つまり、日本人として日本の戦争を戦ったことを認めたくないのです。
これを認めるというのは次のことを認めることになります。日本は敗戦国なのだから、当時日本の領土であった韓国および北朝鮮も敗戦国だ。日本は戦争によってアジアの国々に被害を与えたが、当時日本人だった朝鮮人も被害を与えている。日本軍が戦争のなかで残虐行為をしたが、その一員として朝鮮半島出身者も残虐行為をした。日本兵が慰安所を利用したのだから、朝鮮半島出身者も利用した。戦地や占領地の女性を拉致して監禁しレイプしたが、それに朝鮮半島出身者も加わっていたと考えられる。いずれも事実なのですが、それを認めると、ようするに日本が現在受けている非難を韓国人も受けなければならないのです。
私の知り合いの台湾人はいいます。「日本人は台湾人を差別した。朝鮮人は将校にしたのに、台湾人はしなかった」と。たしかに、のちにクーデターで韓国大統領になる朴正熙は日本の士官学校を出たうえ満州国軍の中尉になっています。朝鮮半島出身者はみな日本軍の底辺にいた二等兵で、責任のある立場にいなかったとはいえません。
事実、多くの朝鮮半島出身者が日本軍の戦争犯罪者として有罪になっているのです。日本が戦争加害国なら、その国民だった朝鮮半島出身者も加害者です。この事実は極東国際軍事裁判で明確に示されています。つまり、彼らも日本人として裁かれたのです。
日本が敗戦国なら韓国人も敗戦国民です。靖国神社には日本本土の日本人と朝鮮半島出身者が祀られています。参拝にきた方は、どこの出身かは差別せずに、日本という国のために命を捧げた人に感謝し、手を合わせているのです。
もし朝鮮人慰安婦が「被害者」で日本軍が「加害者」だとするなら、日本本土出身者の日本兵と同様、朝鮮半島出身者の日本兵、つまり現在の韓国人も「加害者」だということです。現在の韓国人は、「慰安所」を利用した自分の兄弟や父や祖父も非難し、アジア女性基金に寄付しなければなりません。
この当然の論理的帰結を受け入れたくないので、1919年から大韓民国臨時政府を作り、日本とは別の国だった、とくに1941年からは別の国、しかも連合国の一員として日本と戦争していたという虚構を作り上げたのです。しかし、虚構はあくまで虚構でしかありません。
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日本の若者が、歴史を詳しく学べば、韓国のそれとの違いもより強く意識するようになる。それが友好や理解につながるのかは難しいところだろう。有馬氏はこうも述べている。
「多くの日本人は、戦争あるいは植民地支配で被害を与えたのは事実だからと中韓の人々に謝罪します。しかし、それでもまだ非難し、謝罪をもとめてきます。しかもだんだんエスカレートしてくるので、このへんで、大抵は変だなと思います。しかし、ここまで来てもまだ、悪いことをしたんだから謝ろうというお人よしの日本人がかなりいます。
近隣2カ国は、そもそも前に紹介した歴史教科書のように現代史を見ているのですから、日本人が普通にもつ『歴史認識』で謝罪しても、受け入れないのです。彼らの『歴史認識』は根底から歪んでいるのですが、それはあちら側の事情でそうなっているので、その事情が変わらない限り、いくら反省して、謝罪しても受け入れる筈がないのです」
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