「新宿駅」は開業から134年、ずっと工事中 「高島屋」地下には新幹線用スペースも
新宿駅全体の1日あたりの乗降客は約350万人。これは大阪市の人口約270万人を大きく上回り、2007年にはギネスブックが“世界で最も乗降客の多い駅”として公式認定した。
「350万人というのは、あくまで改札口を通過した人の数です。JRの駅構内で、たとえば中央線から山手線などへ乗り換えた人の数はカウントされていません。11両編成の山手線は100%乗車で約1700人。乗り換えの人数を入れるとすごい数になりますよ」
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と解説するのは、8月に『そうだったのか、新宿駅 乗降客数世界一の駅の140年』(交通新聞社新書)を出版した、旅カメラマンの西森聡氏。同氏は、主にドイツやスイスを取材し、『ヨーロッパ鉄道紀行 15日間で6カ国をめぐる車窓の旅』(コロナ・ブックス、平凡社)などの著書がある。
新宿駅の開業は、1885年。『そうだったのか―』によると、
〈新宿駅はスペイン・バルセロナの世界遺産、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)に喩えられることがある。サグラダ・ファミリアの工事は1882年(明治15)年に始まった。新宿駅は1885(明治18)年に開業しているが、以来、双方とも130年以上も延々と工事を続けている。つまり、どちらもずっと未完成、という意味の喩えだろう。しかし、サグラダ・ファミリアにはアントニオ・ガウディが描いた完成図がある。ガウディの没後100年にあたる2026年に竣工する予定とも伝え聞く。一方、新宿駅には完成図も完成形もない。2026年にも工事は続いていることだろう〉
「現在、2020年の東京五輪のために、地下に駅構内ではない、東西自由通路の建設が進められています。幅17メートルだった北コンコースが幅25メートルに拡幅され、改札は池袋駅のようにコンコースに向かって設けられる予定です」
新宿駅誕生の経緯は、
〈1885(明治18)年3月1日、日本鉄道品川線と名付けられた路線、現在の山手線と赤羽線(埼京線)が開業した。開業時には板橋、新宿、渋谷の3駅が設けられた〉
「今のルミネエスト付近に木造の小さな駅舎が建ちました。駅の周りは桑畑や雑木林です。乗降客は1日平均で36人、多い日でも50人ほど、雨の日は乗客ゼロの日もあったそうです。当時は、人を乗せるよりも、薪炭など貨物の運搬が主だったからです」
1889(明治22)年に甲武鉄道の新宿~立川間が開業。のちの山手線と中央線の共同使用駅となり、現在の新宿駅の骨格が形成された。
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