梅宮アンナが「透析の父」「膠原病の母」の介護で得た「気づき」
両親も私も自分らしく
がんと闘う父、辰夫は、食事への配慮も必要だが、
「父はいま、食べることしか楽しみがないと思うので、好きなものを食べてほしいと思っています。手術のせいで痩せた姿や、透析治療で不自由な生活をしているのを見たりすると、父には“食事に気をつけて”などと口うるさく言うのは、かわいそうに感じます」
特に、父の透析治療の辛さには、身につまされる思いをしているようで、
「生活が制限されるのがかわいそうでなりません。週3回、行き帰りを含めると1回6時間。気軽に海外旅行にも行けません。それでも、父は元気で前向きです。若いころから何度もがんを経験しているので、生きることへの心構えができているのでしょう。治療に対してもポジティブに考えることができています」
一方、母のクラウディアさんは、
「膠原病の治療のためにステロイドを服用しています。とても強い薬で、ムーンフェイスといって顔がパンパンに腫れたり、太りやすくなったりする副作用があります。また、骨がスカスカになって骨折の危険性が高まります。1月には転んでもいないのに股関節を骨折し、入院しました。私も病院に通いましたが、病院はいるだけでエネルギーを吸い取られるので、長くいすぎないようにしました。私が元気でいることが、結局は母のためになると、自分に言い聞かせたのです」
介護する側が心身ともに元気であることの大切さを、アンナは教えてくれる。
「水分をよくとるようになりました。透析する父を見て、尿を出すことは大事だと思いました。また、私が倒れるわけにはいかないので、いっそう規則正しい生活を心がけています。両親にも、治療は長丁場になるから、両親も私も自分らしく生活することが大事だ、と伝えています」
意外!と言っては失礼かもしれないが、苦労は人を育てるようだ。
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