大塚家具・久美子社長が売り渡した「取締役の椅子」の値段

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 中国の歴史書『史記』には、「一諾千金(いちだくせんきん)」なる言葉がある。一度交わした約束は千金に値する重みがあり、必ず守らなければならないという意味だ。“大塚家具のかぐや姫”大塚久美子社長(51)と、支援する中国のネット通販会社「ハイラインズ」の陳海波(チェン・ハイポ)社長は、この言葉をご存じないのだろうか。

 大塚家具の株価がまた下落している。今年2月14日には495円だったが、8月2日には半値以下の202円で取引を終えている。経済ジャーナリストの刑部久氏によれば、

「大塚家具は8月1日、今年1月から7月までの店舗売上高を公表しました。既存店舗の売上高は、対前年比でマイナス。第三者割当増資が成功していれば、ここまで値を下げなかったかもしれません」

 大塚家具は今年2月、第三者割当増資による資金調達を発表している。

「久美子社長は、約38億円の資金調達を見込んでいました。陳氏が関係する投資ファンドの引き受け額は18億円。すでに支払った6億円を除いた12億円を6月30日までに払い込む約束でしたが、彼が入金したのは約3千万円だけだったのです」(同)

 その理由を大塚家具は〈中国当局が認可しなかったため〉と説明したが、資金計画に狂いが生じている。

「社内では、陳氏への不信感が高まっています」

 こう語るのは、大塚家具の関係者だ。

「今年3月末の株主総会で、陳さんは大塚家具の社外取締役に就任し、その見返りとして第三者割当増資を引き受けたはず。陳さんが約束を果たさなかったため、社内では“社長は、陳さんに社外取締役の椅子を3千万円で売り渡したのか”と囁かれています」

 かぐや姫もさぞやお怒りかと思えば、

「久美子社長は、“陳さんとは電話で話している。彼の言う通りに動けば大丈夫”と嘯(うそぶ)いています。彼女は中国語を話せませんが、陳さんは日本語が堪能ですから。とはいえ久美子社長が陳さんをなぜそこまで信じるのか理解できません」(同)

 が、陳氏に対する久美子社長の依存ぶりは日を追うごとに高まっているようだ。

「大塚家具の銀座本店で7月25日、陳さんが仕切る在日中国人の経済交流会が開催されて、久美子社長も出席しました。彼女は陳さんの隣の席に陣取り離れようとしなかった。陳さんに利用されているだけではないかと心配しています」(同)

 大塚家具広報室に聞くと、

「資金繰りについては、居然之家(イージーホーム)との資本提携も視野に入れています。株価の下落は、厳粛に受け止めています」

 陳氏の辞書にあるのは一諾千金ではなく、一攫千金だけだったりして。

週刊新潮 2019年8月15・22日号掲載

ワイド特集「夏女の打ち上げ花火」より

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