「すぐに検索」やめてみる、「ナビ」になるべく頼らない…スマホ認知症を防ぐ10の心得

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「スマホ亡国論」

 そこで「スマホ依存」の患者には、まず1日のスケジュールを書いて貰い、普段スマホをどれくらい触っているかを自覚させている。

「急に依存から脱することはできませんから、スマホへの接触を減らして貰うところから始め、だいたい治療には4、5カ月かかります。予防にはベッドやトイレなど決まった場所には持ち込まないというルールを作るといい。スマホを見る時間を制限するアプリを使うのもお勧めです」(同)

 確かに、iPhoneなどには設定時間を超えて利用すると、SNSやネットが自動的に使用不能になる機能がある。とはいえ、適切な1日の利用時間の限度、目安というものはあるのだろうか。

 東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長に訊くと、

「子どもたちの調査結果と照らし合わせると、学力という観点からは1日1時間の使用がボーダーラインだと思います。我々大人も不必要な時は電源を切っておく。道具として割り切って使える精神力を持てる人が、今後の社会を動かす人材になっていくと思います。他方、スマホに使われるだけの大人は、労働の質が下がる一方で厳しい将来が待っている。スマホの使い過ぎで労働者全体の質が下がれば、スマホ亡国論ではないですが、我が国は崩壊の道をひた走ることになってしまいます」

『「朝ドラ」を観なくなった人は、なぜ認知症になりやすいのか?』(幻冬舎・近日刊)の著者で、おくむらメモリークリニック院長を務める脳神経外科医の奥村歩氏はこんな意見だ。

「いわゆる『スマホ認知症』が悪化してしまった患者さんに、スマホの使用が1日1時間を超えないことを目標に、低用量の抗うつ剤を3カ月服用して貰ったところ、脳の機能が回復しました。そもそもスマホには、お酒やギャンブルと同じく強い依存性があることを認識することが大切です。手っ取り早く薄っぺらい快楽が得られることが問題で、必要以上に使えば中毒になってしまいますから」

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