ヤクルト「村上宗隆」は本塁打29本、84打点の大活躍 日ハム「清宮」と何が違うのか
村上の打点はセリーグトップ
少し古い話になるが、5月30日(日本時間)、MLBシカゴ・カブスのダルビッシュ有(33)はツイッターを更新。日本ハムの清宮幸太郎(20)、ヤクルトの村上宗隆(19)、ロッテの安田尚憲(20)の3人を「とんでもない」と形容した。
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まずは、そのツイートを引用させていただこう。(註:改行など、デイリー新潮の表記とした、以下同)
《清宮、村上、安田選手と最近の若い選手はとんでもないですよね。ピッチャーもそうだけど、自分がデビューした時からは考えられないような選手がどんどん増えてきていますね^_^》
この3人、実は同級生だ。清宮は言わずもがなの早稲田実業であり、村上は九州学院、そして安田は履正社。いずれも“超高校生級”のスラッガーとして関係者の注目を集めていた。
とはいえ、3人の知名度には大きな開きがあった。清宮は別格だが、2017年、3年生になった安田は春の選抜で17打数7安打と大暴れ。履正社の準優勝に貢献した。
一方の村上は3年間で1回しか甲子園に出場していない。それも1年生の夏で、無安打で初戦敗退という結果に終わった。
3年生となった3人は全員が夏の甲子園で予選敗退という“奇縁”で結ばれながら、ドラフト会議に臨んだ。
そして本番でも、3人には“因縁”が生まれる。清宮は、阪神、巨人、ヤクルト、ソフトバンク、楽天、日本ハム、ロッテの7球団から指名を受けた。抽選が行われ、日本ハムが交渉権を獲得した。
清宮を獲得できなかったヤクルト、巨人、楽天の3球団は村上を指名。やはり抽選の結果、ヤクルトが交渉権を獲得。同じように清宮を外したロッテ、ソフトバンク、阪神は安田を指名し、ロッテが獲得した。
今年、3人はプロ入り2年目。その成績は高校時代の知名度と比例していない。いや、むしろ反比例していると言ってもいいだろう。
まずロッテの安田は現在、2軍でプレーしている。15本の本塁打を放ってイースタンリーグのトップを走ってはいるが(8月21日現在)、日ハムの清宮とヤクルトの村上は1軍だ。
逆に大ブレイクしているのは、ヤクルトの村上。8月17日にはプロ入り初となる1試合2ホームラン。21日にはソロホームランを放ち、現在ホームランは29本(8月22日現在)。
ちなみに10代1軍選手の最多ホームランは、「高卒2年目」や「10代」の定義などにより、中西太氏(86)の36本とする説と、清原和博氏(52)の31本とする説が併存している。
だが、これまで2位、もしくは3位とされていた豊田泰光(1935〜2016)の27本は既に抜いており、村上がベスト3に入ることは決定した。
その上、打点は84打点でセリーグ単独トップ。高卒2年目以内の打点記録は、やはり中西氏の86打点と清原氏の83打点だったが、こちらは清原氏の記録を塗りかえてしまった。
現在でも、知名度は清宮が断トツだろう。日ハムの主砲・中田翔(30)が右手を痛めて離脱し、8月にはプロ初の4番に起用された。21日には4番初となるホームランを放った。
しかしながら、期待が大きいということもあるのだろうが、どうも成績はぱっとしない。夕刊フジは8月16日(電子版)、「日本ハム9連敗 『4番・清宮』が大ブレーキ 左腕まったく打てず、『2軍でやり直し』と厳しい声も」の記事を掲載した。
ここで表をご覧いただこう。ホームランの記録でも清原の背中が見えてきたヤクルト村上と、日ハム清宮の打撃成績を比較してみた。
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