山本太郎の笑えない「集金力30億円」と躍進が「安倍4選」「9条改憲」に繋がる皮肉

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「山本太郎」のもはや笑えない「集金力30億円」(1/2)

 れいわ新選組の山本太郎代表は「総理を目指す」と明言した。かつては天皇陛下に直訴を試みたりと完全に色物扱いだったが、ポピュリズムの風に乗り、国会の寵児となりつつある。来る解散総選挙に向け、集金力30億円を視野に入れる彼をもはや誰も笑えないという。

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〈1年以内に衆議院選挙、その先の3年後にはもう1回参議院選挙がある。このスパンで政権取りに行くってことを、やらせてもらえませんか〉と、れいわ新選組の山本太郎代表(44)は選挙を通じて訴えてきた。それをピエロだと笑っていられる時期はもう過ぎたようだ。

 今もなお、田中角栄の「政治は数、数は力、力はカネ」という言葉には真率(しんそつ)な響きがある。政治=カネという身もふたもない等式からは、どんな政党も逃れることはできない。

 ことに政党交付金がなく太いスポンサーもつかない新党にとって、カネは大きな頭痛のタネであり続けた。

 例えば、大阪の地域政党を脱皮して太陽の党と合流、2012年の衆院選に打って出た橋下徹氏率いる日本維新の会は、選挙費用を候補者の自己負担とした。比例との重複立候補の供託金は600万円で、広報費として100万円を党本部へ上納させた。公認料500万円、政党交付金から2千万円を候補者に支給した自民党の待遇とは雲泥の差である。資金負担が重いから、出馬を辞退した維新の候補者も少なくなかったという。

 そんな関門を、寄付という形でとりあえず潜り抜けようとしたのが、山本代表だった。

 ホームページ上で、〈集まる金額によって、候補者を擁立する規模を決めて行きます〉とし、衆参ダブル選で挑戦する場合は10億円、参院選で10人の候補者を擁立する場合は3億円が必要……などと寄付を募っていったのだ。

 山本代表は7月3日、参院選の公示前日の会見で、候補を10人立てることを表明。この時点で寄付額は2億円を超えていたが、選挙戦を通じ、その額が3億円に達すると算盤を弾いていたのだろう。最終的には、その予想を上回る4億円超を3万3千人が寄せた。1人平均およそ1万2千円と、れいわが廃止を訴えた消費税のように、広く薄く集めた結果である。

 永田町関係者によると、

「元派遣社員など、あの党には懐事情に問題がある候補もいて、維新のように上納させるのではなく、寄付金という浄財から活動費などを支給していたようです」

 戦いすんで……参院選でれいわは議席2を獲得、比例区の得票率は約4・6%で、政党要件の2%を余裕で超えた。そして代表当人は、「次は衆院」「政権選択なので立候補者100人ぐらいの規模」「首相を目指す」とぶち上げたのだった。

 先の「10人の立候補で3億円必要」理論に従うならば、30億円の集金を目指すということになる。

「宗教団体が立ち上げた政党や共産党は機関紙の購読費や教祖の著書の印税などで活動費を賄っているわけですが、そうではなくて寄付で、しかもこの短期間で4億円も集めたというのは大したもの。過去に例がありません。ただ、選挙が終わったのでこの寄付ペースは一旦収まる。寄付の場合は企業献金と違って、請求書を毎年送って振りこんでもらうわけじゃないから、寄付する人の心意気が大事。その心の部分をプッシュしてくれるのは選挙以外にないですね」(同)

 党勢の大幅な拡大と桁違いの資金獲得を見込める解散総選挙は、山本代表にとって千載一遇のチャンスで望むところであろう。

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