宮迫博之、アロハ姿で啓発ビラ配り 「復帰は考えていない」相方への思いも明かす

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 一連の吉本問題は、「雨上がり決死隊」の宮迫博之(49)の嘘からはじまった。いまなお風当たりは強い。彼はその逆風に抗うかのように、8月上旬、社会貢献活動の第一歩を踏み出した。と同時に、あの会見以来初めて、メディアに対し自らの思いを自らの言葉で語ったのである。

 ここは神奈川、茅ヶ崎市にある市民文化会館のホール。フラダンスのイベント会場である。

 12時前、宮迫は関係者以外立入禁止と書かれた奥のスペースでイベントのスタッフや出演者たちと記念撮影をしていた。この時点で、ホールの外にいる来場者は宮迫の存在に気づいていない。

 12時に開場すると、通路に出てビラを配りはじめる。「え? あれ宮迫さんじゃない?」「写真撮ってもらおう」と口々に言い合う来場者。

 宮迫は一人ひとりに、丁寧に頭を下げながらビラを渡し、例の「宮迫です」のポーズで撮影に応じている。人々からかけられる言葉に感極まったか、時折、目が赤くなっているようにも見えた。開演が迫り、人が少なくなったところで話しかけると、

「ごめんなさい、(来場者に)迷惑がかかるので……」

 と弱々しい答え。その手にあるビラには、〈振り込め詐欺 撲滅!〉とあった。

復帰はまだ考えていない

 このビラ配りは、宮迫が、謹慎処分の禊(みそぎ)として行う社会奉仕活動の第一歩である。半月前の涙の会見を経て吉本興業幹部と面談。以来、初めて公衆の面前に姿を見せたのだ。そこに記者が接触したものだから、驚いたに違いない。が、時間と場所を変えて話を聞かせてほしいと申し入れると、彼は自ら語ることを選び、困惑しつつも、こう答えた。

「僕の友だちがこのイベントを教えてくれたんです。茅ヶ崎は詐欺事案が多いと聞き、なにかお手伝いをしたいと思いました。主催者の方と会ってお話しさせていただくと、快く受け入れてくださった。僕は専門家でもなんでもないですけど、僕が配ることで、少しでも多くの人にビラを読んでもらえたり、保存してもらえたりしたらな、と」

 実際、茅ヶ崎では振り込め詐欺などの特殊詐欺が多発している。数年前には神奈川県内で最多件数も記録。そのため、このフラダンスのイベントでは啓発ビラの配布が続けられてきた。アロハ姿は、イベントに合わせたものだったわけだ。宮迫の目に力がこもる。

「これからは、こういった活動に邁進していきたい。すでにいくつかお邪魔させてもらうイベントも決まっていますし、期限は決めずに続けていくつもりです」

 そうはいっても、復帰したら難しくなるのでは?

「いまは復帰とかは一切考えていなくて。でも引退はしていませんから、みなさんの役に立つことができたうえで、遠くない未来にそういうことがあれば……。ただ、いまはとにかく、ボランティアや啓発活動を頑張っていきたい」

 その意気やよし、だ。しかし、吉本との今後や、明石家さんまが受け入れに名乗りを上げたこと。これらはどうなっているのか。

「吉本に対しては、僕がきっかけでこういうことになってしまい本当に申し訳なく思っています。会見で批判するつもりはなかったんですけど、事実を話すなかでああいう形になってしまい……。契約解除とか撤回とか色々と難しいことになっていながらも話し合いは続けています。さんまさんとも、電話でお話しさせていただいてはいます。でも現実的に契約どうこうということはなんにも決まっていないんです。さんまさんや松本(人志)さん、ご本人たちからは、会社をよくするために頑張っている、と聞いていますよ」

 続いて30年来の相棒、蛍原徹(51)に話が及ぶと、表情がいくらか和らいだ。

「ちょこちょこ電話で話してます。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいで……。怒ってくれるほうがいいのかもしれないけど、怒らないんです。僕のいまの思いを伝えると、“誠心誠意、頑張るべきや”と言ってくれました。僕らがやっていた番組のスタッフさんなどへの謝罪の気持ちも伝えてくれているんですよ」

 宮迫はこの日、イベント会場に最後まで残り、後片付けと掃除を黙々とこなした。誠心誠意が胸にあったのだろうか。その思いを、世間が受け取れるようになるのはいつの日か……。

週刊新潮 2019年8月15・22日号掲載

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