安心安全な「パン」の正しい選び方 中韓よりゆるい日本の「トランス脂肪酸」規制
食べてはいけない有名ベーカリー「パン」の危険物質(2/2)
マーガリンやショートニングに多く含まれるトランス脂肪酸に潜む、心疾患リスク。その危険性についてはWHO(世界保健機関)も報告書を出しており、摂取量を1日の総摂取カロリーの1%未満に収めるよう推奨している。平均的な日本人の場合では1日2グラムに相当する量だ。(以下は「週刊新潮」6月6日号掲載時点の情報です)
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「パンは小麦粉で生地を作る。それを発酵させ、焼くのですが、その前に油脂を混ぜ込みます」
と言うのは、「無添加パン協会」の廣瀬満雄会長である。同協会は、トランス脂肪酸や添加物フリーの商品を志向するベーカリーで構成されている。
「それによって、生地が延びやすくなり、出来上がった時にふっくら、ふわっとした食感が生まれる。この油脂として、大手のチェーンではマーガリンやショートニングを使っている。だから、出来上がったパンにトランス脂肪酸が含まれることになるのです。もちろんパンを作る際の油脂として、バターを使用することも出来る。その方がトランス脂肪酸がゼロになるばかりか、バター特有の味や香りが出ておいしくなります。ただ、マーガリンなどに比べて値が張ります」
例えばショートニングの価格は1キロ当たり300~400円。対して、バターのそれは1200円もする。いきおい、パンの価格もグッと上がるため、チェーン店はショートニングということになるワケだ。
「戦前はマーガリンがまだ流通しておらず、パンに使われることはありませんでした。バターを使っていたため、パンは今よりずっと高級な食べ物だったのです。戦後、アメリカの影響からマーガリン使用の安価なパンが大量に普及した。それによって、トランス脂肪酸の摂取量も増えてしまったのです。しかし、これだけ健康への影響が明らかになってきた今、少し高くてもマーガリン不使用のパンを買うべきではないでしょうか」
ネット検索で「パン」+「トランス脂肪酸」+「不使用」あるいは「フリー」などと打つと、そうした商品が出てくる。出費を覚悟でこれらを利用してみるのも一つの選択であろう。
とは言え、懐に響くのは嫌だ。でもパンは大好き、毎日食べたいという向きも多かろう。そのための一助として、パンの中でもトランス脂肪酸が多めの種類を避けるという選択もある。
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