WHOが警告! 食べてはいけない「パン」の危険物質 たった一つで基準値超え商品の実名

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パン1個あたりの「トランス脂肪酸」含有料リスト

 掲載の表を見ていただきたい。これは、一般に人気の高い、売れ筋12種類のパンについて、各店1個単位でトランス脂肪酸がどれくらい含まれているのかを調査したものだ。

 対象は11の店や企業。

(1)リトルマーメイド、神戸屋など、スーパーや駅ナカ等に店舗を構え、パンをその場で製造、販売する「有名ベーカリー」6店。

(2)山崎製パン、フジパンなど、スーパーやコンビニなどで加工済みの「包装パン」を販売する3社。

(3)大手スーパーで、 PB(プライベートブランド)としてパンを販売するイオン、セブン&アイ・ホールディングスの2社。イオンにはグループブランドのダイエーやマックスバリュ、マルエツ等が、セブン&アイにはイトーヨーカ堂やヨークマート等が含まれる。

 誰もが一度は利用したことのある店だろう。これらのうち、HPで主要商品のトランス脂肪酸量を公開している社(2)はその数字を記し、非公開、あるいは限定公開の社(1、3)については、取材で回答を得た。経営元でも測定していないパンについては、本誌(「週刊新潮」)が独自にISO取得の食品検査機関に検査を依頼し、その結果を掲載した。なおイオンは取材にも非公表を貫いた。

 パンによっては、0グラムとトランス脂肪酸の影が見えないものもある一方、2グラムを超えるものもある。この数値は何を意味するのか。そしてそもそもトランス脂肪酸にはどのような危険が潜むのか。

「トランス脂肪酸は、脂質の構成要素の一種です」

 と解説するのは、日本脂質栄養学会の初代会長を務めた、名古屋市立大学の奥山治美・名誉教授である。

「天然由来もありますが、問題視すべきトランス脂肪酸は、液体の植物油に水素を吹き込み、固形状にする『水素添加』と呼ばれる作業で発生するものです」

 そのため、トランス脂肪酸が検出されるのは、「水素添加」で生産される油脂商品=マーガリンやショートニングに多く、それらを原材料として作られるパンや洋菓子、揚げ物などの製品からも検出される。

『トランス脂肪酸から子どもを守る』著者で、杏林予防医学研究所の山田豊文所長も言う。

「これらの技術が開発されたのは100年程前で、目的はバターの代用品を作るため。バターなどの動物性油脂は固体で酸化しにくく、風味も豊かですが、値段が高いという難点がある。動物由来なので供給も安定せず、戦時中などは『バター不足』も起こった。そこで、安価で供給も安定している植物性油に白羽の矢が立ったのです。ただ、植物性油の大半は常温で液体ですから、水素を添加し、脂肪酸の構造を人工的に変えて固形化させた。これによって酸化もしにくくなりました。企業側からすれば安価な上に長持ちする。しかも“植物由来のヘルシーな油”と宣伝できるのでどんどん広がっていったのです」

 しかし、便利さのウラには必ず影がある。1990年代になって、これらマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の健康への悪影響が公になり、世界中で問題視されるようになった。

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