わずか25万円のために人生を捨てた……過酷なフランチャイズ事業が生んだ悲劇
昨年来、コンビニオーナーの過酷な労働条件が問題視されている。フランチャイズ制は労働基準法の適用外となるためだ。2003年9月に起こった運送会社への立て籠もり事件も、フランチャイズ事業を巡るトラブルが原因だった。ガソリン144リットルを持ち込み、未払いの報酬3カ月分を要求。わずか25万円のために自爆……。(駒村吉重 ノンフィクション・ライター)
***
オフィスビルに籠城した別府昇は、妻も子もある52歳の宅配便運転手だった。ほんの数日前まで、契約関係にあった運送会社「軽急便」の名古屋支店に押し入り、ガソリンをまき散らして支店長らを人質にとったのである。...