伝統的な食習慣と世界各地の食文化が混ざり合ったイスラエルの料理

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 野菜やオリーブオイル、ハーブをふんだんに使うため、健康的な食事として最近注目を浴びているイスラエル料理。その特徴は、

「一言でいえば、フュージョン。多国籍だということです」(イスラエル国のヤッファ・ベンアリ大使)

 1948年にイスラエルが建国された際、世界各地に離散していたユダヤ教徒は、それまで住んでいた各地の料理文化を携え、帰還した。それが渾然一体となり、独自の食文化を形成している。

「国の75%を占めるユダヤ教徒には、伝統的な『コシェル』という食習慣があります」

 ホロコーストの惨劇を逃れた母の元に生まれた大使も順守するコシェルとは、ユダヤ教伝統の食物の清浄規定のこと。例えば、乳製品は肉と一緒に食べてはいけない、豚肉は禁忌、身体が鱗に覆われ鰭(ひれ)がついている魚しか口にしてはいけない、といった規定がある。ユダヤ教徒が全てのコシェルを守っているわけではないが、その規定は、国全体の食文化に影響を与えている。

 地中海に面したイスラエルの地は「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる地域に属し、古くから農作物の栽培が盛んだった。現在も、ブドウやオリーブの生産量は多く、質も高い。また、乳製品の種類も豊富だとか。

「来年には成田からテルアビブまでの直行便が就航します。イスラエルに来たら、是非スーパーを覗いてください。健康的で美味しい自国製品が沢山ありますから!」

週刊新潮 2019年7月18日号掲載

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