男性アナで圧倒的存在感、TBS「安住紳一郎」の人間力 計算高い?人情派?
当代きっての人気男性アナウンサーといえば、TBSの安住紳一郎(46)に違いない。レギュラー番組はテレビが4本、ラジオが1本。オリコンの調査による「好きな男性アナウンサーランキング」では2006年から5連覇を成し遂げ、殿堂入りをはたした。そしてこのたび、TBS系東京五輪番組の総合司会を務めることも発表された。安住が愛される理由とは? =文中敬称略=
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「安住紳一郎は半端ないです」「緩急をつけるのが非常にうまい」
そう安住を讃えたのはフリーアナの重鎮・古舘伊知郎(64)。6月21日放送の情報バラエティー「5時に夢中!」(TOKYO MX)内でのことだった。古館は安住を後輩アナの中でナンバーワンだと思っているようだ。
確かに、安住の司会・進行はメリハリが効いている。冗談を言っていたかと思ったら、瞬く間に真顔に戻り、平然とニュース原稿を読んでいる。
アナウンス技術だけなら安住よりうまいアナがいるかも知れないが、司会・進行においては右に出る者がいないのではないか。
「いつでもフリーになれる」と言われ続けながらサラリーマンに拘り、今の立場は局次長待遇。7月1日付で昇進した。以前は部次長待遇だったから2階級特進である。
「40代半ばのアナの年収は大体1600万円から1700万円前後」(TBS社員)なのだそうだが、異例の局次長待遇となった安住の場合、1800万円を超えるとみられる。
大手商社、メガバンクの年収を軽く凌駕する金額だ。とはいえ、TBSにしてみれば、安いものだろう。安住の代わりをフリーアナやタレントに頼んだら、1番組あたり年間1億円程度を支払わなくてはならないのだから。
安住の現在のレギュラー番組は、テレビが「新・情報7daysニュースキャスター」「ぴったんこカン・カン」「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」「東京VICTORY」の4本。加えて「日本レコード大賞」などの特別番組では必ずと言っていいほど司会を任される。
おまけにラジオもやっている。日曜午前10時から約2時間の生番組「安住紳一郎の日曜天国」だ。前日の土曜夜10時からは1時間半の生放送「新・情報7daysニュースキャスター」があるのだから、さすがにキツイはず。テレビに絞ったほうがいいのでは・・・。
「安住は昔からラジオが好きなんですよ。在京キー局でラジオ兼営なのはウチだけ。折角ウチに入ったのなら、しゃべりだけで勝負するラジオをやってみたくなるものなのです。また、ラジオは自由度が高い」(ラジオ部門の経験もあるTBS社員)
安住は過去、目標とする人としてTBSの先輩である久米宏(75)の名前を挙げたことがあるが、久米もラジオ好きとして知られる。そもそも安住と久米には共通点が多い。甘いルックス、ソフトな語り口、辛口のジョークを得意とすることころ、そしてバラエティーもニュース・情報番組もやれる柔軟性である。
大学3年時までアナ志望でなかったところも安住と久米は一緒。だから、放送研究会やアナウンス研究会の類に所属したこともない。しゃべりの技術は自分で磨いた。もしかすると、これが功を奏し、2人は際立った個性を確立できたのかもしれない。放送研究会などの標準コースを歩むと、どうしてもアナウンス技術などが似通ってしまいがちだからだ。
安住は北海道帯広市生まれで、地域トップの進学校・同立帯広柏葉高から明治大に進んだ。その間、東京・高田馬場で浪人生活を1年間送った。若くして挫折を経験しているのだ。
明大では文学部で、専攻は日本文学。過去のインタビューで「中学か高校の国語教師になろうと考えていたから」と繰り返し答えている。実際、中学校の国語教員の免許を持っている。2歳年上の実姉で、日本を代表するチアリーディング指導者でもある柏倉早智子さんも、道立高校で福祉科を担当する教諭だ。
TBSは「記念受験」したつもりだった。ところが、受かってしまう。放送研究会やアナウンス研究会出身の学生を蹴落とした。競争率は毎年数百倍である。とはいえ、そこから苦労を強いられた。入社1年目の1997年から情報番組「はなまるマーケット」などに出演したものの、実力不足を痛感したようだ。
「若いころの安住は暇さえあればほかのアナや司会者の研究をしたそうです。そのため、『安住の家には何台もテレビが置いてある』と言われていた」(前出・TBS社員)
憧れのアナになった途端、まるで芸能人のように遊び歩く者も珍しくないが、安住は浪人時代のように勉強したらしい。努力家なのだろう。
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