芸人の賃金保障はしない、今後も契約書は作らない――大崎会長が語った「吉本」の流儀

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吉本「大崎会長」が明かす「闇営業」の核心(2/2)

 吉本興業ホールディングス・大崎洋会長(66)が週刊新潮に語ったインタビュー後編。2009年に社長になって以降、反社会的勢力とは決別したつもりだっただけに、宮迫博之らの闇営業問題は「無念」と語る。「社会の物差しと吉本の物差しに乖離があってはならない。昔はともかく、吉本も、その乖離がないよう取り組んできたと思うんです――」

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 だから僕が社長になってからはコンプライアンスを強化してきたつもりでした。しかし、「直の営業」については、基本的に、自由にさせてきた。友だちから家族の結婚式の司会を頼まれたり、先輩芸人から、営業の応援に来いと言われることもあるでしょう。マネージャーも、「あ、そうなん? 気をつけて行っといでな」といった程度だったと思います。謝礼の額が高ければ、マネージャーも「ちゃんと会社に言っとこうな」と言うだろうし。吉本はそこまで締めつけて管理する会社ではありません。

 問題は、「直の営業」の相手が反社であること。ましてや、今回はお年寄りを騙したお金です。相手の素性を知っていたかどうかは別にしても、芸を売ってそれを手にしたというのは、芸人どうこうの前に、アウトです。しかし、会社として取引先のチェックをするのは当然ではあるものの、「直の営業」の場合はどうしようもない。芸人から言ってくれなければ分からないのですから。先輩などの頼みで顔を出すだけであっても、ホットラインに連絡してくれさえすれば、相手をチェックできたのですが……。

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