吉本・大崎会長が明かす闇営業の核心 今回の件は「無念」、自身も“反社の営業”を経験

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「中田カウス騒動」以前と以後

〈無念と洩らした大崎会長も、実は反社相手の営業を経験している。芸能興行と反社は切っても切れない関係で、“清濁混淆”であることが身に沁みているのだ。元「コメディNo.1」の前田五郎氏によると、

「芸人たちに、中田カウスが“あっち行け、こっち行け”と指図しとった」という。中田カウス氏が「今いくよ・くるよ」に営業を振ったときなどは、「彼女たちは“ヤクザの仕事は嫌です”とあらかじめ断っていたけど、現場に行くとヤクザの営業。だから芸もせずにその場から帰った。そしたら翌日、カウスがいくよのところへ行き、“俺の顔に泥を塗りやがって!”と大暴れした」なんて一幕もあったという。いずれにせよ、今回の決め手は反社会的勢力との関係である。「闇営業」、いわゆる「直(ちょく)の営業」に行ったことが問題ではない。その“線引き”はどう考えているのか。〉

 僕が吉本に入ったのは40年前ですが、そのときは会社の仕事として山口組……、ナントカ組の盆踊りに漫才師3組を連れていくといった仕事が、ふつうにありました。その場所に着くとヤクザがズラーッと並んでいて、「おい、そこの若いの。こっちや!」と。それで、見たこともないようなぶっとい札束をもらい、翌日、経理担当に「きのうのギャラです」と渡す。いまから思うととんでもないですが、当時の吉本がそんな状況であったことは、まちがいありません。

 カウスさんについては、過去に反社との関係を「週刊新潮」が報じ、いまも他誌が報じていることは承知しています。でも、07年当時、吉本はカウスさん本人含め関係者の聴取を行って問題はないと判断しました。警察に逮捕されたこともない。カウスさんは暴力団などの反社会的勢力とは一切関係がないと認識しています。が、やはり、社会の物差しと吉本の物差しに乖離があってはならない。昔はともかく、吉本も、その乖離がないよう取り組んできたと思うんです。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年7月25日号初出/2019年8月14日掲載

特集「トップ就任から10年『吉本・大崎会長』が明かす『闇営業』の核心」より

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