吉本問題で横山やすしが懐かしい…ヤクザと兄弟盃、無免許飲酒セスナ操縦の破天荒

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三途の川あがりながら

 96年にやすしが亡くなった折、立派な葬儀が執り行われ、“やっさんは恐かったけど優しい兄さんやった”など、参列者は押しなべて故人を偲んだが、大村によると、

「本人は三途の川あがりながら、振り返って“こんな派手な葬儀やらんといてくれ。仕事くれ、仕事くれてたらこんなことにならんかった”って言うてまっせ、と記者に喋ったんです。そしたら明くる日に『過激発言』と書かれてしまって、吉本のお偉いさんとゴルフ場で会っても、僕の顔見たら避けて行ってしまうようなことがありました」

 ボートレースには仕事そっちのけで耽溺し、

「テレビタレントというよりはむしろボートのレーサーに近い生活をしていました。そのための減量による不摂生で体調は悪くなる一方でした」(先の澤田氏)

 相方・西川きよしは、澤田氏との本誌(「週刊新潮」)での対談で、こう語っている。

〈なぜ人生そんなに生き急いでたんだ、と。(中略)人生51年と10カ月なんていうのはね、人生のスピード違反やで、と。(中略)朝の連続ドラマにしてもらいたいくらいですわ。朝ドラ3年分は出来ますよ〉

 吉本創業者は朝ドラになり、やすしは歌にもなっていないのだから、懐かしくなるのは無理もないこと。と同時に「吉本問題」への溜め息もまた深く長くなるのだった。

週刊新潮 2019年8月8日号掲載

特集「『朝日新聞』が社説で勘違いする『吉本問題』への溜め息」より

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